井上尚弥がSIXPADとパートナーシップ契約
2020年5月18日 11時41分
2020年5月18日 11時11分
WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥(大橋)はちょうど1年前のきょう5月18日、イギリスのグラスゴーでWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)同級準決勝、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦を迎えた。
井上は2018年10月、バンタム級最強を決めるトーナメントWBSSの初戦(準々決勝)で、元WBAスーパー王者フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に初回KO勝ち。その前のジェイミー・マクドネル戦に続く速攻KOで、ファンの度肝を抜いていた。
準決勝への期待は高まるばかりだったが、年内に発表と思われた準決勝のスケジュールはなかなか決まらず、ようやく5月のグラスゴー開催がアナウンスされたのは2月になってから。井上はこの間、力をためにためてイギリスに乗り込むことになった。
井上がイギリスに渡ってからも、周囲は何かとざわついた。まずはロドリゲス陣営のウィリアム・クルス・トレーナーが公開練習の際、写真撮影をした井上真吾トレーナーに言いがかりをつけて、大橋会長がWBSSに抗議する事態が勃発した。
直前になって元IBF王者ポール・バトラーがリザーブ・ファイトにエントリーすることになり、「ロドリゲスは欠場するのでは?」という未確認情報も入ってくる。「まさか」と思われたが、WBSSの財政難が報じられ、一部の選手が出場辞退したり、WBOバンタム級王者ゾラニ・テテが欠場したり(これはけがが理由だったが…)していたので、「何が起きるか分からない」というムードが漂っていたのだ。
結局これらの心配は杞憂に終わり、決戦のゴングは無事、SSEハイドロで打ち鳴らされたのである。
ロドリゲスはシャープなジャブとワンツーを軸にしたスタイリッシュなボクサーで、中南米の選手らしいしなやかなフックやアッパーは「なかなか手ごわいな」と思わせるものがあった。何しろ無敗の世界王者である。今回ばかりは井上とて楽に試合を運べない─との予想に説得力はあった。
初回、ロドリゲスの左フックがいきなり井上の顔面を浅くとらえる。その後も、IBF王者は盛んに手を出し、前に出てWBA王者を攻める。もしや井上は押されているのか? 日本向けテレビの解説者は初回を10-9でロドリゲスに採点。不利と言われたプエルトリカンは上々の立ち上がりである。
井上は試合からしばらくして、次のように語っている。
「押されているとはまったく思わなかったいし、1ラウンドが終わって“取った”と思いました。ジャッジ3人ともこっちでしたよね。そこは先入観があったと思います。自分がロープを背負うことは今までなかったですからね。でも、余裕があったし、視野も広かった」
余裕があったとの言葉を裏付けるかのように、フィニッシュは目前に迫っていた。
2回、井上が右をボディに突き刺し、ロドリゲスが左フックを返そうとしたところに、一瞬速いタイミングで井上の左フックがアゴを打ち抜く。内側からシャープに振り抜く、ドンピシャの左で、ロドリゲスがキャンバスに転がった。
ここは冷静さを崩さず立ち上がったロドリゲスだが、井上が左ボディ、右ストレートで2度目のダウンを奪うと青色吐息。井上は容赦なくボディ打ちで3度目のダウンを加え、試合を終わらせた。
この3試合、すべてバンタム級きっての実力者を相手に1、1、2ラウンドKO勝ちだ。唖然とする周囲をよそに、本人のコメントはどこまでも涼し気だった。
「長引けばお互いに緊張感が解けて、お互いの良さがたぶん出てきて、もっとボクシングとして面白い展開になるんじゃないかと。1ラウンドが終わったときにそう思っていたんですけど。まあ、1ラウンド目で感触的に負けはしないだろうな、という気持ちの余裕はありました」。
WBSS決勝の相手は5階級制覇のレジェンド、ノニト・ドネアに決まっていた。井上が勝利したあとのリングに上がったドネアはレジェンドらしいオーラを放っていた。しかし、井上の圧勝劇を目の当たりにした直後だっただけに、まさか翌年、この2人の試合がまれにみる激闘になろうとは、この時点でまったく想像できなかった。
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