2020年6月28日日曜日

6.28ボクシングきょうは何の日 世紀の耳噛み事件 
タイソンがホリフィールドにまさかの凶行

 元ヘビー級統一王者マイク・タイソンがボクシング史に悪名を刻む凶行で世界中を驚かせたのが23年前の1997年6月28日、ラスベガスのMGMグランドで行われたイベンダー・ホリフィールドとの世界タイトルマッチだった。

“事件”を報じる当時の新聞

 90年に東京ドームでジェームス“バスター”ダグラスに敗れて世界王座から陥落したあとのタイソンは散々だった。それでもまだ若く、練習さえすれば実力はあった。数々の愚行、レイプ事件による収監をへて仮釈放中の96年にWBC世界王座を獲得(その後はく奪)、続いてWBA王座を獲得し、ホリフィールドとの第1戦を迎えた。

 34歳のホリフィールドに対し、ブランクを作ったとはいえ30歳のタイソンが圧倒的に有利(賭け率9-1)と見られていた。しかし結果は“ザ・ウォリアー”ホリフィールドの11回TKO勝ち。そして7ヵ月後に迎えたダイレクトリマッチで事件は起きたのである。

 両者とも気迫あふれる立ち上がりを見せ、2回に偶然のバッティングでタイソンが右目じりから出血する。このあとホリフィールドがタイソンを押し込み、もみ合うシーンが何度か生まれて試合はラフな展開になりかかっていた。

 3回、タイソンは攻勢を強めた。しかしまたしてもクリンチ、もみ合いで思うように攻撃できない。そしてラウンド後半、クリンチの際にホリフィールドの頭がアゴに入ったタイソンはフレストレーションを爆発させ、ホリフィールドの右耳(2センチばかりだ)を噛みちぎる暴挙に出たのである。ホリフィールドは飛び上がって痛がった。

耳を噛みちぎられ、タイソンに背を向けるホリフィールド

 試合はしばし中断。タイソンに減点2が与えられたが、これで試合が再開されたのはいま考えれば驚きだ。残り30秒でタイソンは左耳にもかみつき、ホリフィールドは激怒しながら応戦。ラウンド終了後、リングに両陣営がなだれ込み、場内が騒然としたままタイソンの失格で試合は終了となった。

 リング外で不祥事を重ねていたタイソンの野蛮なイメージはこの事件でより決定的なものになったと言えるだろう。没落したタイソンがこのあと世界王座に返り咲くことは2度となかった。後年、タイソンとホリフィールドが和解したというニュースに胸をなでおろした。


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