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内藤大助の大仕事から15年 34秒KO負けの屈辱晴らし、ポンサクレックのV18阻止

2022年7月18日 13時30分

 内藤大助がWBCフライ級チャンピオンになったのが2007年7月18日、15年前の後楽園ホールだった。世界タイトルに挑戦すること3度目。32歳10ヵ月で栄冠を手にした。

後楽園ホールの名勝負から15年がたった

 勝利への期待は決して高くなかった。王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)はここまで17連続防衛中の安定チャンピオン。ゆったりと無駄のない動きから鋭いワンツーを繰り出し、沈着冷静に試合運ぶかと思うと、ここぞというチャンスでは一気に畳みかける。多くの日本人挑戦者がその牙城を崩せず、“日本人キラー”の異名もついていた。

 かくなる内藤もポンサクレックに2度挑戦。02年4月はわずか34秒KO負けで、フライ級世界戦の最短KO記録をマークするという屈辱にまみれた。05年10月の挑戦も7回負傷判定負けで涙を飲んでいた。

 迎えた第3戦、内藤は徹底してスタミナとフィジカルを強化し、難攻不落のポンサクレックに挑んだ。内藤は得意の変則ボクシングで序盤は優位に立ち、中盤以降は一進一退の攻防を繰り広げる。8回終了時の公開採点では、ジャッジ2人が内藤を1ポイント差で支持、残る1人がドローという接戦だ。

 息詰まる終盤の攻防に、後楽園ホールを受けつくしたファンはヒートアップ。内藤が左フック、右ストレートを決めれば、ポンサクレックもコンビネーションをヒットして譲らない。12ラウンドが始まるとき、両者は一瞬抱き合って互いにエールを送った。

 ラスト3分の死闘。大歓声にかき消されるように終了のゴングが鳴った。

 読み上げられたスコアは116-113、116-113、115-113。「勝者WBC世界フライ級、新チャンピオン、内藤大助!」のコールに会場は「ウォー!」と大興奮。内藤は両拳を突き上げ、自然と涙がこぼれ落ちた。

内藤はついにグリーンのベルトを腰に巻いた

 34秒KO負けの屈辱からはい上がり、再び日本王座からやり直して地道に力を磨き続けた内藤の努力を、後楽園ホールのファンは知っていた。勝者に送られる割れんばかりの歓声はどこまでも温かかった。

 圧倒的な強さを日本のファンに見せつけながら、この夜、ついに敗者となったタイ人王者の勝者をたたえるふるまいも見事だった。

 内藤は亀田大毅を相手に初防衛を成功させたあと、ポンサクレックと4度目の対戦をしてドロー。2度目の防衛を成功させた。

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