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村田諒太の五輪金メダルから10年 日本選手48年ぶり ミドル級で歴史変える快挙

2022年8月11日 10時28分

 いまから10年前の2012年8月11日、日本人選手でボクシング競技2人目のオリンピック金メダリストが誕生した。ミドル級の村田諒太(前WBAミドル級王者=帝拳)。東京五輪バンタム級の桜井孝雄以来、実に48年ぶりの快挙だった。

ボクシング・ビートの表紙を飾った1枚

 前年の世界選手権で銀メダルを獲得していた村田は「メダルはノルマ」と自らに重圧をかけてロンドンに乗り込んだが、オーバーワークがたたって決して本調子とは言えない状態だった。

 それでも初戦に快勝し、続く準々決勝では最終回に右強打を何度も決めて逆転勝ち。前日に盟友のバンタム級清水聡が日本人選手として44年ぶりとなるメダルを確定させたことも刺激になったろう。村田も公約通り銅メダル以上を決めた。

 4日後の準決勝は世界選手権2連覇の経験を誇るウズベキスタンのアトエフに序盤でリードを許しながらも1点差で競り勝ち、11日、ロンドンのボクシング会場エクセルで決勝を迎えた。

村田の快挙に号外も出た

 対戦相手はブラジルのエスキバ・ファルカン。大会前はそれほど難敵との印象はなく、村田は悪くないスタートを切って初回は2点リード。しかし村田をかなり研究してきたファルカンは2回、接近戦から一転して距離を取り、流れを変えにかかった。

 雲行きが怪しくなってきた村田だったが、最後まで持ち前の馬力を押し出して攻めの姿勢を貫くと、最終回、ファルカンにホールドで警告が与えられ村田に2点が入った。村田は一瞬気を緩めたものの、最後は連打を打ち込んで最終スコアは14-13。1ポイント差でついにオリンピックの頂点に立った。

 村田はこのあとに発売されたボクシング・ビート2012年10月号、飯田覚士の直撃トークで最後の場面をざっくばらんに語っている。

当時の飯田覚士さんとの対談から

「(最終回に相手への警告で)2ポイントが入ったらと思ったら僕の集中力が切れちゃって。『この試合はもらわなければ勝つな』なんて思いがよぎった瞬間にパンチをまとめられた。精神的な未熟さを感じましたし、僕も26歳、ベテランになっていいトシなのに。やはりあの舞台、金メダルがちらほらと見えるようになると……ハイ(苦笑)」

 村田の金メダルは日本人選手として48年ぶりということだけでなく、世界でも層の厚いミドル級で金メダルであり、日本ボクシングの歴史を変える快挙だったと言える。1年後にプロ入りし、WBA世界ミドル級タイトルを獲得したのはご存じの通りだ。

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