2020年9月11日金曜日

井上尚弥 11.1生中継のWOWOWインタビュー 
初ラスベガス テーマは“倒しきる”に尽きる

 WBA・IBF世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥(大橋)が10月31日、米ラスベガスでWBO1位のジェーソン・モロニー(オーストラリア)を迎えてWBA3度目、IBFは2度目となる防衛戦を行う。この試合を11月1日午前10時30分から生中継するWOWOWが井上にインタビューを敢行した。

写真提供WOWOW

■初のラスベガスは無観客試合

――4 月に予定された試合が延期になり、対戦相手がカシメロからモロニーに変わりました。3団体の王座統一戦ではなくなりましたが、モチベーションに変化はありませんか。
井上「別にベルトに強い興味や執着があるわけではないし、変更も理由(コロナ禍)が理由なので仕方ないと思っています。マロニーも実力のある選手だし、まずは試合ができることに喜びを感じています」

――4 団体の王座統一という夢は先送りになりますね。
井上「こういう状況なので、4 団体統一という興味は自分のなかでは少し薄らいだ気がします。いまはいかに自分の満足いく相手と戦うかということに興味を感じます」

――昨年11月7日のノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)戦以来、約1年ぶりの試合ということになります。この間、モチベーションを保つのが難しかったのでは?
井上「4 月の試合が延期になってからずっと試合モードで来ているので、モチベーションが落ちるということはないです。いつ試合が決まってもいいように体は動かしてきたので。(体調面に関しては)常に7~8 割をキープしていけば試合ができる体はできるので問題はありません。

あとは精神的な部分をいかにキープできるか。たしかに1 年ぶりの試合になりますが、(S・フライ級王座を獲得した)オマール・ナルバエス(アルゼンチン)戦のあとの(負傷による)1年のブランクとは気持ちの面で全然違います。ドネア戦でケガをしたので4 月の試合だと不安はあったけれど、延期になったことでその不安はなくなりました」

昨年11月のドネア戦 Photo/SUMIO YAMADA

■ドネア戦は「ファンの期待を裏切ったかな」

――WBSS優勝で世界的な評価が上がったという実感はありますか。
井上「優勝したことに対する評価は感じるけれど、(WBSS 決勝の)ドネア戦が必ずしも求めていたような内容と結果ではなかったので、そういう意味ではファンの期待を裏切ったのかなと自分では思っています。でも、ああいう状況(右目上に裂傷、出血、眼窩底骨折)で12 ラウンドを戦いきって勝てたので自信にもなりました」

――今回はボクシングの聖地ともいわれるラスベガスでの試合です。
井上「ラスベガスでやるからには期待されているということなので、KO しなければと感じます」

――今回の試合をとおして何を見せてくれるのでしょうか。
井上「(見てくれる方たちに)元気や活力を届けられたらと思っています。前回は判定だったけれど、相手がドネアだったから満足してもらえたところがあると思うんです。でも、今度は判定までいったらまずいと思っているので、しっかりKO したいなと思っています」

――初めてのラスベガスで初めての無観客試合。初めてのことが多いですね。
井上「前回のドネア戦が2万人のお客が入って、今度は無観客。すべての条件が初めてですから、気を引き締めていきます」

■判定勝ちは難しくないけど…目指すはKO

――不安な点もありますか。
井上「肉体的なものは気にしていないですが、精神的なことに関してはどうかなと思っています。ラスベガスに着いてから2週間の隔離があるので、そこだけです」

――ロドリゲス戦の前にモロニーとはロシアで行われたWBSSの発表会で会っているんですね。
井上「そのときはモロニーのことは何も知らなかったんです。一緒に写真を撮ってくれというので撮り、それを彼がツイッターに載せていましたね」

――どんな印象でしたか。
井上「普通に優しそうな人でした。自分と撮った写真とドネアと撮った写真を載せていて、見たらドネアと身長がほぼ同じように感じました。でも試合(ロドリゲス戦)では前かがみの姿勢だったので、あまり大きくは感じませんでした」

――モロニーは「井上は過大評価されている。何も恐れるものはない。俺が化けの皮を剥がしてみせる」と強気です。
井上「過去に戦った選手はだいたい同じことを言っていますよね(笑)。そのコメントを言うにふさわしいものを彼が持っているかというと、そこまでではないんじゃないかと思っています」

――では、モロニーに関して気をつけるべき点は?
井上「正直いって気をつけなくてはいけないという思いはありません。カシメロには一発で倒すパンチがあるので怖さはありますが、モロニーにはそれは感じません。その分、やりにくいのではと思っています。パンチもなくはないし、技術も高く、タフで12 ラウンド戦うスタミナもある。いちばん面倒くさいタイプですね。

勝ちに徹すれば判定勝ちは難しくないけれど、内容を求めて倒すことを考えれば少し時間がかかるかも。ラスベガスでやるから塩試合(拙戦)はダメですからね。KO しなければ意味がないと考えるので、テーマとすれば“倒しきる”ということに尽きます」

■今までで一番相手のことを研究をしている

――警戒はしていますよね。
井上「警戒というか……要は自分の問題なんです。自分が120 %に仕上げれば問題ないので、それを目指して調整します」

―― +20%は何なんでしょうか。
井上「100%は自分が仕上げる分で、あとの20%は運です。ボクシングには運も必要なので。その運を掴めるように努力するということです」

――KO 決着を前提とすると前半、中盤、後半、どのあたりをイメージしていますか。
井上「モロニーの戦闘スタイルを考えると、後半まで行ったら逃げ切られる可能性があるので、倒すなら前半か中盤でしょうね」

――カギになりそうなパンチは?
井上「いま探しているところです。モロニーはディフェンスもいいので、パンチを出すときの癖やパンチの戻し方なども含めて映像を見てチェックしています。そうしたことは普段はリングに上がってから考えるのですが、今回の場合はリングに上がってからでは遅いかなと思って…。だから前もって癖などをチェックしています。今回がこれまでで一番相手のことを研究しています。倒すための突破口を自分から掴みにいかなくちゃいけないので」

――ここまで(9月上旬)、調整は順調ですね。
井上「はい、順調です。まったく体調を崩すことなくきています」

――試合に向けた意気込みを。
井上「1年ぶりのリングなので、見てくれた人たちが『(自分も)頑張ろう』と思ってくれると嬉しいです」

<WOWOW番組情報>https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
■9月13日(日)午前11時~ WOWOWプライム
「井上尚弥」聖地ラスベガスへ!ボクシング怒涛のビッグマッチSP!

■10月18日(日)午前11時~ WOWOWライブ
生中継!エキサイトマッチスペシャル 4 団体統一世界ライト級タイトルマッチ ワシル・ロマチェンコvs テオフィモ・ロペス

■11月1日(日)午前10時30分~ WOWOWプライム
生中継!エキサイトマッチスペシャル WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ 井上尚弥vsジェイソン・マロニー


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