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名王者ピントールと現役王者マルティネスが登場 ボクシングルネサンス23

2021年2月14日 23時25分

 メキシコで唯一の日本人プロモーターが主催する自主興行「ボクシングルネサンス23」が13日、メキシコのメキシコ州ベネーノ・ボクシングセンターで開催され、プロ6試合、アマ1試合を行った。

 第1試合は大阪府出身の木谷陸(20)と、シティ出身のダニエル・ロセッテとのフェザー級4回戦。木谷は高校時代・国体ライト級準優勝の実績を誇り、昨年メキシコ連邦府のライセンスを取得してシティでデビューして初回KO勝ちしたホープ。ロセッテは体に大きなナイフ傷を持つ30歳のファイターでプロ戦績1勝1分け。

 試合は“和製チャベス”のスタイルを追求する木谷が初回から体を振って前進、得意の左フック、左ボディ打ちを決めるが、メキシカンも右の大きなボラード、左右のボディ打ちで対抗し簡単にはペースを渡さない。

 2R以降も、前進して相手をロープに詰めて上下を攻め、もう一歩でダウンという場面を作る木谷に対して、タフネスを発揮して時折大きなパンチで反撃するメキシカンという図式は変わらず、4Rを通してクリーンヒットの数で優った木谷の3-0の判定勝ちとなった。木谷はこれで2戦2勝1KO。

 第2試合は愛知県出身の江尻和磨(29)とブライアン・スニガとの57キロ契約4回戦。フィリピンとメキシコでボクシング修行を続ける江尻は、年末にコロナに罹患し一時出場が危ぶまれたが無事に回復し試合前のコロナ抗体検査でも陰性、満を持して1年ぶりの試合に臨んだ。

 1Rからフットワークで左右に動いて左ジャブを連射する江尻に対し、小柄なファイタータイプのブライアンは江尻のジャブをヘッドスリップで外して右のボラード、左右のボディ打ちと迫力のある攻撃を見せる。

 この攻撃をかわしてカウンターを打ち込もうとする江尻だが、先手を取られてしまい苦しい展開となる。背の低いブライアンの頭が江尻を直撃し試合が中断、このバッティングのダメージが大きく響き足元が定まらない江尻に猛然とブライアンが襲い掛かったところで1Rが終了。

 1分間のインターバルでもこのダメージは回復せず、2Rに入ってもメキシカンの猛攻は続き、江尻にとっては無念のレフェリーストップとなった。江尻は5勝3KO7敗。日墨プロ対決は1勝1敗だった。

 メインイベントは、40戦近いプロキャリアを誇るベテランの技巧派マリオ・アンドラーデとメキシコ州最大のホープでデビュー以来9戦全勝6KOの好戦績を誇る19歳の強打者イバン・エフクティボ・ガルシアの6回戦。

 新旧交代なるか?と注目された好カードであったが、1R開始早々、アンドラーデが低くダッキングした時、左目下を偶然にガルシアの膝にぶつけてカットし、その傷が深くドクターストップ。メキシコ州コミッションより引き分けの裁定がなされた。両者の緊迫したパンチの交換がリングサイドを支配し、予想通りの激闘が開始された矢先の残念な出来事に両陣営とも納得のいかない結末となったが、今年中の再戦に期待したい。

 最後に往年の名選手であるルペ・ピントールと、現役のWBC世界フライ級チャンピオンのフリオ・セサール・マルティネスがゲストで出席、リング上で紹介され大きな拍手を浴びた。マルティネスは“左ブローの魔術師”の異名をとったピントールを大いに尊敬しており、また彼が世界王者になる前、「ボクシングルネサンス18」でメキシコ・ナショナルタイトルを獲得して自信をつけ、その後世界に飛躍していったこともあり、ゲスト出席を快諾してくれたのであった。

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