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ボクシング今日は何の日 ガッツ石松が“幻の右”で世界王者に

2021年4月11日 10時40分

 1974年4月11日はあのガッツ石松が世界チャンピオンに輝いた日だ。今から47年前の日大講堂。WBC7位にランクされていた挑戦者の石松はWBC世界ライト級王者ロドルフォ・ゴンサレス(メキシコ)に8回2分12秒KO勝ち。日本人で初めてライト級の世界チャンピオンに輝いた。

ガッツ石松(左)は王者ゴンサレスを相手に会心の勝利を収めた

 この試合までの石松の戦績は42戦26勝14KO11敗5分。キャリア序盤から勝ったり負けたりを繰り返し、1970年にイスマエル・ラグナ(パナマ)、73年には“石の拳”ロベルト・デュラン(パナマ)に世界挑戦するも、いずれもKO負けに終わっていた。

 対するベテラン王者、これが3度目の防衛戦となるゴンサレスの戦績は86戦79勝65KO6敗1分(ボックスレクによる)。数字だけを見ても大方の予想がチャンピオンに傾くのは当然と言えただろう。この日、日大講堂に集まった熱狂的な7000人でさえも、石松の勝利を願いこそすれ、その願いが叶うと信じることはできなかった。

 しかし、いつものように股旅スタイルで登場した希代のエンタテイナーは颯爽と三度笠を客席に投げ込むと、3度目の正直となる世界タイトルマッチで、一世一代のパフォーマンスを見せたのだった。

 石松はスタートから快調に飛ばした。王者のスロースターターぶりは知られていたから、いずれメキシカンが盛り返すのだろうと思われが、石松は脚を使いながらジャブや左カウンターを効果的に使って試合を進めていく。そして8回、石松が左フックを決めるとゴンサレスの体がグラりと揺れた。チャンスとみた石松が襲いかかる。渾身の右を打ち込むと王者がグシャリとキャンバスに沈んだ。

 レフェリーがずいぶんと時間をかけてカウントを数え、2度目のダウンではチャンピオンの手を引っ張って起き上がらせるなど首をかしげたくなるシーンもあったが、勝利目前の石松には関係ない。3度目のダウンを奪ったところで勝負あり。ボクシング界にニューヒーローが誕生した。

 最初にダウンに追い込んだパンチは“幻の右”と呼ばれた。石松曰く「ワンツーなんだけど、左を出してから右を出すまでがものすごく速いから、相手には右が見えない」。だから“幻”というわけだ。

 この試合で“ガッツポーズ”を生み出した石松は天性の明るいキャラクターも手伝い、人気チャンピオンとして大いにブレイクした。以後、5度の防衛を成功させ、V6戦でのちの名王者エステバン・デ・ヘスス(プエルトリコ)に敗れた。1978年の試合を最後に現役引退。その後のタレント、俳優としての活躍はご存じの通りだ。

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