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村田諒太×中谷正義 ミドル級とライト級が語る「伝統の階級なればこそ」

2021年6月16日 14時21分

 WBAミドル級チャンピオン村田諒太とライト級中谷正義(ともに帝拳)。ジムメイトであること以外にも二人にはいくつか共通点があるように思える。そこで今回対談してもらったわけだが、話題は初めての出会い、ボクシング観、読書と多岐にわたった。とくに中谷のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との注目の一戦が近づくだけに、村田のトークも一層熱を帯びたが、チャンピオンも12月のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦を見すえている。勝負をかける両選手の声をお届けする。=ボクシング・ビート7月号より=

――二人とも物事を納得、理解して自分の言葉にして話そうとする。そこが似ている気がします。

村田 僕ね、中谷のスパーリング見てて思うんですけどね。たとえば“低さ”が出ている時が強いよな。

中谷 上体がですか!?

村田 というのは、型通りにやってる時はパンチをもらうけど、こう(低く構えて)遊び的な要素が動きに出てると調子がいいよな。

中谷 ああ、そう言われてみて思います。たしかにそうですね。

村田 きれいなかたちで戦おうとしている時って、らしさが出えへんよな。で、昨日のスパーめっちゃよかったやん。

中谷 あれどう思いましたか? 出てましたか?

村田 いやよかったよ、出てんねん。高いままだと相手に入ってこられた時は怖いけど、自然と、低い位置でやったりして。そういう時の中谷はすごい強いと思う。背がデカいから高いところで勝負するのはセオリーだとしても、そこで勝負していないのが中谷やなと思った。だからボディーで倒したり、ああこういうところは面白いなと。

要は背の高いボクサーの普通の戦い方じゃない。それが、先ほどの「自分の考えを表す」という話なら、普通のことをしてる人間は普通しかできない、普通じゃないところの何かを変えているからこそ中谷正義というボクサーの強さがあるんやなと思ったわけです。

――なるほど。

村田 帝拳に来てから見ていて、最近のスパーがすごくいいんで。入った当初は言われたことをやる、郷に入れば郷に従う感じはあった。でもいまは田中繊大さんとのミット打ちを見ていても、すごく自由な動きの中谷が出ている。これはうちの選手にはあまりいないタイプだなと。それを見ていて、上から目線で申し訳ないですけど、賢くなかったらここまで来ないよなと思いますね。

中谷 でも難しいところです。たしかに僕のらしさなんですが、こだわりすぎると基本が疎かになってしまうんですね。地力がなくなっていく気がするんです。ある意味、こういう(低い構えの)動きは“ごまかし”じゃないですか。

試合はごまかしだけじゃ勝てないし、地力の強さも必要であって。でも地力があれば勝てるわけでもない、そのジレンマはあるんです。いま村田さんにそう言われてみて、自分の強みは生かさないといけないと思ったんですけども。……

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