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3度目の世界挑戦アピールに説得力 赤穂亮が復活した理由 ビート8月号より

2021年7月19日 16時33分

 しばらくの低迷がウソのように、最近の赤穂亮は活き活きと充実している。2度目の世界挑戦に失敗してから白星こそ並べていても、どことなく乗らないファイトには、実は飯田さんもクエスチョンマークがあった。それが35歳にして3度目の挑戦アピールに説得力が出てきた。いったいどんな改革があったのか。赤穂はとても興味深いストーリーを語ってくれた。聞き役に徹した飯田さんも「モヤモヤが晴れた」と共感――。=ボクシング・ビート8月号より=

飯田さん(左)と赤穂亮

――いきなりですが、家族の存在を語るようになったからか、とくに最近は「あの赤穂が……」と我々も意外に思うようなコメントが多い気がしますね。

赤穂 ユーチューブを始めて、意外に赤穂しゃべるじゃん、意外と優しいね、家族思いだねとか。皆どう思ってんだよって。

飯田 その真逆なんだよ(苦笑)。

赤穂 めっちゃしゃべるんですけどね。なんでも聞いてください。

飯田 なんかね、こないだも試合後のインタビューは人間臭さがすっごい出てた。俺解説だったんだけど、こういう人間か、と。

赤穂 しゃべることはほとんど考えてないんですよ。昨年暮れの墨田区の試合は娘の受験があったので、勝ったらそれについて言おうと決めてたんですが。娘は、上の(姉妹)2人が嫁の連れ子で高校2年生と高校1年生。で、赤ちゃんが昨年生まれて、3人の父親をやってるんですけどね。

飯田 ホウホウ。

赤穂 一番の気がかりだったのは、親同士が好きで一緒になったけど、娘たちは小さな頃から女3人で暮らしてたわけで、そこに俺がポンと入るわけですよ。その難しさはありましたね。

飯田 そうだろうねえ。

赤穂 誕生日と父の日には子どもたちが手紙をくれるんですよ。それが年を追うごとに中身が濃くなっていく。7月2日に35歳になったんですが、娘からの手紙にこうありました。「亮ちゃんとママみたいな夫婦になれるような相手を私も見つけるね」と、うれしくて。

飯田 うわー。

赤穂 嫁に、「こう書いてあるぞ。俺らのことを夫婦だとしっかりと認めてくれたんだ」と。すっごいうれしくて。

飯田 最高の言葉だよね、それだけでもう何もいらない。

赤穂 若い頃に一度結婚してるんですが、当時は週5週6で朝から働いてボクシングもする生活です。俺一人だったらこの金全部使えるのにな、とかどこかで考えちゃう。それはやはり自分より大切に思えなかったということで、もう結婚することはないかなと思ってました。その後長く付き合った人とも結婚は考えられずに離れた。

飯田 うん。

赤穂 その価値観を全部変えてくれたのがいまの嫁なんですよね。僕と出会った時とか、寝てないんですよ。子どもたちのために、仕事掛け持ちして稼いで。そういう女性なんですよ。もし自分に何かあった時、子どもたちのために保険もいくつも入って。今どきこんな女性いないなと。

飯田 うんうん。

赤穂 で、僕が思ったのは、娘たちとの時間を増やしてあげたいと。それができないなら僕の役目はない、この人と一緒にいちゃいけないと思ったんです。全力で突っ走ってきたんだから楽をさせてあげたい。そんな僕が言われて一番きついのは、娘たちに「私たち3人のほうがよかったじゃん」ですよ。母親が全然楽になってないじゃん、それが男として一番きつい。

飯田 だよね。…

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