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“アジアの英雄”パッキャオ引退特集 思い出の名勝負ベスト10

2021年10月1日 16時21分

来年のフィリピン大統領選挙に出馬を目指す世界6階級制覇のマニー・パッキャオ(フィリピン)が引退を正式に発表した。フィリピンの貧しい家庭に育ち、トップボクサーを次々に倒してアメリカンドリームを成し遂げたヒーローは世界中に衝撃を与え、私たち日本のファンは“アジアの英雄”としてパッキャオを誇りに感じた。パッキャオの足跡を10の名勝負から振り返る――。

後楽園ホールで初回KO勝ちしたパッキャオ

①1998年5月18日 後楽園ホール
寺尾新 ○1回2分59秒TKO
パッキャオが日本のリングに立った唯一の試合。パッキャオのキャリアの中では小さな勝利であるが、日本でパッキャオの強さを語るときに必ず引き合いに出される伝説の一戦。当時はまだフライ級だった。

フライ級時代のパッキャオ

②2001年6月23日 ラスベガス MGMグランド
レーロホノロ・レドワバ ○6回59秒KO
米国デビュー戦でIBF・S・バンタム級王者のレドワバを下し、フライ級に続いて世界2階級制覇を達成。アメリカンドリーム実現に向けて第一歩を踏み出した。この試合、パッキャオがピンチヒッターで挑戦者に抜擢されたのは有名な話。興行のメインイベンターはデラホーヤだった。

スターへの階段を上り始めたバレラ戦

③2003年11月15日 サンアントニオ アラモドーム
マルコ・アントニオ・バレラ ○11回2分56秒TKO
メキシコのスーパースター、バレラに対した“無名”のパッキャオは初回にノーダメージのダウンを奪われたもののその後は快調。3、11回にダウンを奪って“番狂わせ”の勝利を挙げた。パッキャオの評価がググッと上がった出世試合。ここからバレラ、モラレス、マルケスのメキシカン3選手とのシリーズファイトが始まった。フェザー級。

④2006年11月18日 ラスベガス トーマス&マックセンター
エリク・モラレス ○3回2分57秒KO
初戦はモラレスの小差判定勝ち、2戦目はパッキャオの10回TKO勝ちで迎えた第3戦。競り合った試合が予想されたが、パッキャオが初回から飛ばしまくって3回でフィニッシュ。倒されたモラレスの信じられないような、あきれたような表情が印象に残った。S・フェザー級。

デラホーヤ戦の勝利でスター交代を告げた

⑤2008年12月6日 ラスベガス MGMグランド
オスカー・デラホーヤ ○8回終了TKO
クラスを上げてミドル級も制したスーパースター、デラホーヤと対戦。当時は「無謀な戦い」と急激な階級アップを批判する声も多かったが、蓋を開けてみれば、初回からデラホーヤを圧倒してギブアップさせる完勝。この試合でパッキャオはスーパースターの座を手に入れ、デラホーヤを引退に追い込んだ。ウェルター級。

⑥2009年5月2日 ラスベガス MGMグランド
リッキー・ハットン ○2回2分59秒KO
飛ぶ鳥を落とす勢いとなったパッキャオが衝撃のノックアウトを披露した。初回にダウンを奪ったパッキャオは2回、思い切り体重を乗せて左を振り抜くと、これがイギリスの人気者ハットンのアゴを直撃。ハットンが失神して倒れる衝撃の幕切れに世界中が驚愕した。S・ライト級。

⑦2010年11月13日 アーリントン カウボーイ・スタジアム
アントニオ・マルガリート ○12回判定
パッキャオが体格差をものともせず、スピードと手数でタフなマルガリートを痛め続けた。この勝利でデラホーヤに続く史上2人目の6階級制覇を達成。海外ではマイナー団体タイトルだったフェザー級とS・ライト級も入れて8階級制覇とカウントすることも多い。ちなみに試合はS・ウェルター級の154ポンドではなく、150ポンドのキャッチウエートで行われた。

マルケス(左)とは計4度対戦した

⑧2012年12月8日 ラスベガス MGMグランド
フアン・マヌエル・マルケス ●6回2分59秒KO
ライバルのマルケスと4度目の対戦。3回にマルケスが、5回にパッキャオがダウンを奪うエキサイティングな試合は6回終了間際、マルケスの右ボラードがドンピシャで決まり、失神したパッキャオが顔からキャンバスにダイブ。世界中のファンが言葉を失った。両者の対戦成績はこれでパッキャオの2勝1敗1分。パッキャオはティモシー・ブラッドリー戦に続く連敗で落日のムードが漂った。

⑨2015年5月2日 ラスベガス MGMグランド
フロイド・メイウェザーJr ●12回判定
何度か交渉が持たれながら長らく実現しなかったスーパースター対決がついに実現。試合はパッキャオがメイウェザーをつかまえられずに判定負けという想定内の結果となったが、興行収入は史上最高額をマーク。その金額は何と5億ドル(約550億円)に達し、メイウェザーが300億円近く、パッキャオも200億円近くを手にしたと伝えられる。

⑩2019年7月20日 ラスベガス MGMグランド
キース・サーマン ○12回判定
フィリピン上院議員と二足のわらじを履き、年齢も40歳に達したパッキャオに対し、「もう終わった」という声は多かった。しかし、無敗のWBAウェルター級スーパー王者のキース・サーマンに挑戦すると、初回にダウンを奪って判定で逃げ切って世界チャンピオンに返り咲き。新たな伝説を作った。

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