始まりは8年前 村田諒太がゴロフキンとのスパーリングで学んだこと
2022年4月5日 15時11分
2022年4月5日 14時56分
ゴロフキンの4度目の防衛戦の相手に淵上誠さん(38歳)が決定したのは、試合(2012年5月12日)の2週間前だった。淵上さんはこの1ヵ月前にOPBF王座の初防衛戦をクリアしたばかり、ほぼ1ヵ月のタイトなスケジュールでしかもトリプル・ジーに挑むことになったのだ。
しかしゴロフキンの映像を観て「俺には相性がいい。これチャンスだな」と感じたそうだ。「1R終わるまではいけると思ったんですよ。パンチは強いけど、これだったらいなせるな、もらっても首を振れるなと」。フットワークと柔らかい上体で相手の強打をいなすスタイルが淵上さんの真骨頂だった。
だが1ラウンドが終わる直前に左目をカットされ、距離を測れなくなると事態は急変。これまでもらったことのない右を浴びた。「我慢できる、できないじゃない。勝手に腰が落ちてしまった」という。パンチをもらうたびに一瞬意識が飛び、2度のダウンを喫し、最後はストップとなった。
ゴロフキンは淵上さん渾身の左が当たっても動揺しない。これでも効かないのかと落胆したが、試合後ゴロフキンの目の下に青たんができていたという。
ホテルのロビーで休んでいると、ゴロフキンが下りてきて会話をかわした。淵上さんの夫人が英語を話せたので、明け方近くまで約3時間話をしたという。「君も試合後は眠らないの? 僕もだよ」といった話を続けた。
中屋ジムのスタッフも下りてくると、ゴロフキンが全員分のコーヒーを頼んで、飲んでくれと。その時に「あ、この男には勝てない、本当の敗北を感じた」と淵上さんは言う。
負けて悔しい思いもあったが「ゴロフキンのやさしさに接し、ファンになってしまった」と淵上さんは言うのだ。
ゴロフキン・ウォッチャーの淵上さんは、最近のチャンピオンをどうみているのか。「ここでKOで終わるなという試合が、終わらない。アレッと思うことが正直ありますよね」
それでも「どの階級の世界王者より強い」と淵上さんは確信する。「村田選手もゴロフキンがどれだけ強いか、絶対に分かっていると思うんです。それでもゴロフキンと試合をしたいという村田選手はめちゃくちゃカッコいい」
どちらを応援するか困るのでは、と聞くと「僕はゴロフキンを人間として尊敬し応援していますから」と淵上さん。対戦者をこれほどのファンに変えてしまうゴロフキンはただものではない。
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