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夏は少年少女たちキッズボクサーにとっても待ちに待った季節。プロの「ジュニア・チャンピオンズリーグ」(旧U15)、アマチュアの「UJ(アンダージュニア」と、全国大会が開催されるからだ。キッズボクサーはボクシング界の宝。ここではそんな彼らの奮闘を期待しつつ、井上尚弥(大橋)を筆頭に現在活躍中のチャンピオンの「あの頃」を思い起こそう。=ボクシング・ビート9月号より=
押しも押されぬ世界最高のファイターとなった井上尚弥。13年前、高校に上がっていきなり全国優勝(インターハイ)を果たし、のちのモンスター伝説はそれは鮮烈に幕を開けたのだが、なにも突然変異的なリング・デビューではなかった。彼がアマチュアボクサーの父親(真吾トレーナー)について少年のころから一生懸命練習をしてきたことは、今では皆の知るところである。
――モンスターもかつてキッズボクサーだった。では小学、中学の時代はいったいどんなキッズボクサーだったのか。井上本人に聞いてみると、まず「日々坦々と、トレーニングをしていました」と返ってきた。
井上もU15大会の優勝者であるが、現在のキッズたちと大きく異なることがある。キッズボクシングを取り巻く環境が当時はまだそれほど確立されていなかったのだ。全国大会のU15第1回大会(2008年)に出場したのは中学3年だった。
つまりぎりぎり間に合った世代である。キッズの井上が腕試しをするのは、横浜さくらジムや熊谷コサカジムなどキッズボクシングに熱心なジムで開催される大会ぐらいだったのだ。
「(現在のU15のような)大会を目指す、という状況がなかったんですね。だから拓真と浩樹と父と練習をずっとしていました」
“日々坦々”とは、そういう意味である。井上尚弥がボクシングを始めたのは小学1年の時。井上家といえば父子鷹ながら、先月号の飯田トークを読んでも分かるように、スパルタ指導の厳しさではなかった。
なんせ、父が隣で必死に練習しているのだ。「やりもしない人にあれをやれ、これをやれと言われるわけじゃない。父もサンドバッグを叩くわけですから、その背中を見て、自分も頑張んなきゃって思うんです」。そう尚弥は振り返っている。‥
モンスターが振り返るジュニアの時代……記事全文は発売中のボクシング・ビート9月号に掲載しています。
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