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永田大士が激戦制して東洋太平洋S・ライト級王座獲得 ベテラン近藤明広に逆転勝ち

2022年12月5日 21時03分

 OPBF東洋太平洋S・ライト級タイトルマッチが5日、後楽園ホール「ダイヤモンドグローブ」のメインで行われ、元日本同級王者で挑戦者6位の永田大士(三迫)が王者の近藤明広(一力)に3-0判定勝ち。スコアは115-112×2、114-113だった。近藤は初防衛に失敗した。

最後まで激闘を展開した永田㊧と近藤

 両者は20年12月、日本王者だった永田に近藤が挑戦し、7回負傷ドローに終わって以来の再戦。先に仕掛けたのはサウスポーの永田。アグレッシブに左を打ち込んでいった。しかしラウンド後半、近藤の右フックで永田がバランスを崩してグローブをキャンバスにつくと、永田はスリップをアピールしたもののダウンの裁定となった。

 永田にダメージはなく、2回は再び積極的に攻めていった。永田は3回にジャブ、左ストレートを打ち込んで優勢。流れが挑戦者に傾きかけた4回、近藤はネジを巻き直して右フック、左フックをヒットしてポイントを獲得。4回終了時の採点は、38-37×2、39-36で近藤がリードした。

 6回、近藤の右がヒットしたが、永田の左で近藤の動きが止まった。永田が一気に前に出て左ストレート、右フックを打ち込む。ピンチに立たされた近藤も打ち返してヒートアップ。今度は近藤が盛り返して右フックを叩き込んだ。永田はパンチで左目じりから出血したものの、ボディ打ちを効果的に使い、徐々にペースを引き寄せていく。8回終了時の公開採点は76-75、77-74で近藤、76-75で永田となった。

 9回は永田がプレスをかけていき、さらに近藤を追い込んでいった。近藤は苦しそうだ。右はけっこう当てているが、永田に引く素振りはない。10回はボディ攻撃で近藤がフラフラになった。11、12回も永田が押し、近藤が何とかダウンを拒否してゴングとなった

 32歳の永田は17勝6KO3敗2分。昨年6月、2度目の防衛戦で日本王座から陥落し、2本目のベルト獲得に成功した。世界タイトルマッチ経験もある37歳の近藤は35勝20KO11敗2分。今年6月、麻生興一(三迫)から奪った王座の初防衛に失敗した。

加藤トレーナーとともに戴冠に感激の永田

 

永田の話「1ラウンドのダウンはバランスを崩しただけ。いつもならあれで慌ててしまうけど冷静に対応できた。ボディは加藤トレーナーから絶対に効くと言われて練習したきた。相手はボディも効いていたし、心が折れかけているのが分かったけど、そこで畳みかけられなかった。10、11、12だよと言われて、冷静だったけど絶対に勝ちにいこうと思った」

加藤トレーナーの話「永田は攻撃のことしか考えないところがあった。今回は相手をしっかり観察するように言った。相手を見て、攻撃するのか、守るのかを判断する。観察した上で後半戦に入ることができた。内藤律樹戦(18年10月のOPBF王座挑戦)では10ラウンドにダウンを取って、11ラウンドに手が出なくてドロー。10ラウンドに入る前は『内藤戦を思い出せ』と言いました」

即決KO勝ちの保坂

◇S・フェザー級8回戦
保坂剛(三迫)[TKO1回1分34秒]ナッタコーン・サンセービー(タイ)
 日本S・フェザー級6位のサウスポー保坂が左ストレート、右フックのコンビネーションでいきなりダウンを奪った。さらに左フックでダウンを追加。最後は左ストレートでナッタコーンがヒザをついたところでストップとなった。

 戦績を7勝5KO1敗とした保坂は「前回の試合より考えてやったけど早すぎた。来年はランクを上げて、挑戦者決定戦、チャンスがあれば東洋でもアジアでも取りにいきたい」とリング上で話した。ナッタコーンは2勝2敗。

竹原㊨が二瓶に競り勝つ

◇56.5キロ8回戦
竹原毅(協栄)[2-0(77-75×2、76-76)]二瓶竜弥(DANGAN郡山)
 初回は二瓶が左右のボディ、左アッパーで好スタートを着る。サウスポーの竹原は2回、接近戦を選択して再三右ボディを打ち込んでいく。二瓶は左ボディ、右ストレートで対抗した。竹原は前に出て手数で攻勢を示し、二瓶は相手の攻撃をブロックし、右ストレート、左フックをタイミングよく当ててジャッジにアピールした。

 6回、竹原はギアを上げてプレスを強めた。ボディ打ち、左ストレートで二瓶に迫った。竹原は体格差とスタミナをいかして7、8回も休まず攻め続け、終盤を制して競り勝った。竹原は8勝2KO2敗。二瓶は8勝1KO3敗1分。

山内を倒した蒲山

◇バンタム級6回戦
蒲山直輝(小熊)[TKO5回1分42秒]山本大智(KTT)
 両者ともによく動き、よく手を出すボクシング。クリーンヒットが少ない中、蒲山の右ストレートが断続的に決まった。4回早々にこの右で山本がダウン。これで山本はスイッチが入ったように攻めに転じたが、5回に蒲山の右カウンターで山本がキャンバスにヒザをつく。再開後、左フックで山本がグラついてストップとなった。4試合ぶり勝利の蒲山は6勝2KO5敗3分。山本は7連敗で5勝3KO11敗1分。

藤野㊨が大場を下す

◇S・バンタム級6回戦
藤野正文(DANGAN AOKI)[2-0(58-56×2、57-57)]大場竜(ジャパンS)
 初回から激しい打ち合いとなった。藤野は左ボディ、左フックを軸にグイグイと押し、大場も右アッパー、左フックで応戦した。初回は藤野が押したが、3回は大場が右ストレートから見せ場をつくって打撃戦はヒートアップ。この回、藤野がバッティングで左目上を切った。

 後半、両者ともにやや疲れたものの、打撃戦は最後まで続いた。より前に出た藤野と印象的な右を何度か打ち込んだ大場と、わずかの差でジャッジの支持を得たのは藤野だった。藤野は5勝3KO2敗。大場は5勝3KO8敗1分。

山内は阿部に初回KO勝ち

◇52.0キロ6回戦
山内寛太(DANGAN越谷)[TKO1回1分58秒]阿部愛斗(石神井S)
 ともに立ち上がりから思い切りよくワンツー、左フックを打ち込んだ。開始20秒、山内が右を打ち抜き、阿部がダウン。立ち上がった阿部に山内が襲いかかり、右からの連打で2つめのダ

ウン。再開後、阿部は左フックを強振して巻き返しを図るも、またしても右が決まったところでストップとなった。山内は6勝4KO3敗1分。阿部は4勝2KO2敗1分。

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