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中嶋一輝が8回TKOでWBOアジアS・バンタム級王座獲得 井上浩樹は2年半ぶり復帰戦に快勝

2023年2月16日 21時08分

「第97回フェニックスバトル」が16日、後楽園ホールで開催され、メインのWBOアジアパシフィックS・バンタム級王座決定戦は、元東洋太平洋バンタム級王者の中嶋一輝(大橋)がケニー・デメシーリョ(フィリピン)に8回2分45秒TKO勝ち。自身2つ目のタイトルを手にした。また、元日本S・ライト級王者の井上浩樹(大橋)が2年7カ月ぶりの復帰戦を2回TKOで飾った。

TKO勝ちを決め声援にこたえる中嶋

 強打のサウスポー中嶋は21年10月、栗原慶太(一力)にKO負けで東洋太平洋王座を失ってから3連続KO勝ち。再びつかんだタイトルマッチのチャンスでIBFバンタム級挑戦者決定戦に出場経験を持つデメシーリョを迎えた。

 中嶋が左、デメシーリョが右を狙いながら互いに手を出さない緊張感あふれる立ち上がり。慎重にスタートを切った両者が動き出したのは3回。中嶋がプレスをかけ、デメシーリョが踏み込んで右を振っていく。中嶋はディフェンスを意識し、デメシーリョのアタックを脚で外して、左をボディに打ち込んでいった。

 中嶋のパワーが効き始めたかにみえた5回、デメシーリョが果敢にアタックして左右のフックで中嶋に襲いかかった。中嶋はこれを防ぎきれないものの脚を使って決定打を許さない。中嶋は6回、左ボディを効かせて一気に出る。デメシーリョもロープを背負いながらカウンターで対抗、中嶋優勢ながらスリリングな場面が続いた。

中嶋はボディ攻撃が冴えた

 その後も同じ展開が続いたが、デメシーリョが弱ってきた。中嶋は8回にデメシーリョをコーナーに釘付けにして顔面にボディにパンチを浴びせる。ロープに押し込まれてパンチを浴びるデメシーリョ。主審が割って入りストップかと思いきやダウンを宣告。再開後に中嶋が襲いかかり、タオル投入となった。

 中嶋は14勝12KO1敗1分。「もっときれいに倒したかったけど相手もうまくてきれいに倒すのは難しかった。(ダウンを喫した)前回より冷静に戦えたと思う。このまま負けずに世界チャンピオンになりたい」と勝利者インタビューに答えた。かつてスパーリング・パートナーとして大橋ジムの通ったこともあるデメシーリョは16勝10KO6敗2分。

復帰戦勝利の井上浩樹

◇S・ライト級8回戦
井上浩樹(大橋)[TKO2回38秒]パコーン・アイエムヨッド(タイ)
 サウスポーの井上が初回からジャブをビシビシと打ち込んでいった。一発を狙うタイ・ライト級2位のパコーンのアタックは足で外す。ラウンド終盤左アッパーをボディに突き上げてダメージを与えると、ガードの上から左を打ち込んでパコーンからダウンを奪った。

 2回、パコーンが勝負をかけて前に出ると、これを足でかわした井上が左ストレートをカウンターで突き刺す。倒れたパコーンはしばらく立ち上がれなかった。試合後に浩樹コールを受けた井上は「ただいまって感じです。感覚はアップしているときから徐々に思い出してきた。引退前より確実に強くなっていると思う」とアピール。これまでけがに泣かされてきたが、今回は「すべて調子がよくて逆に怖かった」というほど。「世界? そこを目指さないとダメだと思う。今後? 借りというか恩のある相手がいるので返させてもらうのもアリかなと思っている」と話した。戦績は16勝13KO1敗。パコーンは4勝4KO1敗。

 セミファイナルの前には中止となった日本ミニマム級王座決定戦に出場予定だった同級2位の高田勇仁(ライオンズ)が前日本王者の石澤開(M.T)と2分2ラウンドのスパーリングを行った。

池側(左)はスピード差を生かして勝利

◇56.5キロ8回戦
池側純(角海老宝石)[負傷判定6回33秒3-0(58-57、59-56、60-55)]日野僚(川崎新田)
 日本フェザー級10位の日野は21年11月、日本王者の丸田陽七太(森岡)に挑戦して敗れて以来、1年3カ月ぶりのリング。大商大出身の日本S・バンタム級17位、登り坂の池側とサウスポー対決を迎えた。

 長身の日野に対し、機動力とハンドスピードで上回る池側は2回、左アッパーと左ストレートをうまく合わせて先制した。池側は日野が打ち出るとパンチを素早くまとめて日野の思うようにはさせない。前半戦を優位に進めた。

 日野は状況を打破しようと仕掛けていくが、池側はスキを見せずに優勢をキープ。6回、偶然のバッティングで日野が左目上をカットし、試合続行不可能となった。池側は4勝1KO2分。連敗の日野は14勝9KO4敗2分。

◇58.0キロ4回戦
山川健太(大橋)[TKO2回2分51秒]春島一雅(折尾)

◇フェザー級4回戦
内田勇心(大橋)[TKO4回53秒]橋場大樹(宮田)

◇53.0キロ4回戦
阿部一力(大橋)[TKO1回2分58秒]名和祐輔(岐阜ヨコゼキ)

◇L・フライ級4回戦
タジュイ・タム(パンチアウト)[引き分け1-0(39-37、38-38×2)]武久尚矢(大橋)

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