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黒木優子がWBO女子アトム級V1 ダイレクトリマッチで前王者の鈴木菜々江を振り切る

2023年3月30日 20時43分

 WBO女子アトム級タイトルマッチが30日、後楽園ホール「Victoriva vol.11」で行われ、チャンピオンの黒木優子(YuKOフィットネス)が前王者で挑戦者の鈴木菜々江(シュウ)に3-0判定勝ち。初防衛に成功した。スコアは96-94×2、97-93。

黒木(左)は序盤、左アッパーが冴えた

 昨年9月の第1戦は黒木がアウトボクシングで鈴木を翻弄し文句なしの判定勝ち、4年9カ月ぶりに世界王座に返り咲いた。第2戦に雪辱を期す鈴木がスタートから積極的に前に出る立ち上がり。これに対して黒木はフットワークを使いながら、カウンターの左ストレート、左アッパーで迎撃。初回から互いのスタイルがぶつかり合った。

 1,2回と黒木のアウトボクシングが冴えたが、しつこく前に出る鈴木が3回から徐々に乱戦の時間帯を増やしていく。クリンチ、ホールド、もみ合いが増えて黒木はストレスをためながら、それでも何度か左カウンターを打ち込んで試合を作ろうとした。鈴木はクリンチ際にボディ打ちを繰り返し、とにかくひたすら前に出続けた。

 鈴木は前に出てクリンチになる前にパンチを当てたいところだが、頭を下げて左フックを打ったところで黒木の頭を抱え込んでしまう。黒木はカウンターで鈴木の前身を止めようとするが、鈴木が突進してくるのでなかなか難しい。互いに思うようなボクシングができない中、試合は体力勝負となっていった。

黒木は山下会長(中)の真正ジムに移籍予定

 鈴木の前進は最後まで止まらず、最終回には乱戦から右フックをヒット。終盤は黒木がややスタミナ切れという印象。それでも決定を許さなかった黒木が逃げ切りに成功した。黒木は21勝9KO7敗2分。「鈴木さんの土俵で戦ってしまった。前回にプラスして倒そうと思っていて、パンチに自信もついたので、先に場所を取らずにカウンターを狙ってしまった」と反省した。王座返り咲き失敗の鈴木は11勝1KO6敗1分。

箕輪(右)は元世界王者、奥田との接戦に勝利した

◇S・フライ級8回戦
チャオズ箕輪(ワタナベ)[2-0(77-75×2、76-76)]奥田朋子(堺春木)
 奥田は21年6月、吉田実代に敗れてWBO・S・フライ級王座から陥落、昨年8月のオーストラリアでの再起戦にも敗退。一方、東洋太平洋フライ級王者の箕輪も昨年11月のオーストラリア遠征で敗れ、ともに生き残りをかけた一戦となった。

 長身の奥田はジャブ、右ストレート、箕輪が距離を詰めようとジャブ、右フックから入っていく。序盤から奥田の右カウンターがヒットしたかと思えば、箕輪が懐に入って左右フックのコンビネーションを見舞うシーンありと、互いに持ち味を出しながらラウンドを重ねることになった。

 競った展開の中、箕輪が6回に右フックを決め、そこから畳みかけて見せ場を作る。7回は奥田が右で反撃。互いに最後まで決定打を出せなかったが、軍配は小差で箕輪に挙がった。35歳の箕輪は8勝6KO4敗。3連敗となった39歳の奥田は7勝1KO5敗2分。

佐山(左)と前田はドローに終わった

◇女子日本フライ級王座決定6回戦
前田宝樹(姫路木下)[引き分け(57-57×3)]佐山万里菜(ワタナベ)
 佐山は日本、東洋太平洋ときて今回が3度目のタイトル挑戦。前田は初めてのタイトルマッチを迎えた。長身の佐山に対し、前田は出入りのボクシングで勝負。初回に飛び込んでワンツー、右から返しの左フックを決めて先制した。前田は体の回転、ローリングもうまく使ってフックやアッパーを打ち込んでいった

 佐山は3回に右を決め、その後もジャブ、右ストレートを打ち下ろしていく。5回は激しく打ち合い、この打撃戦は五分五分か。最終回も互いによく手を出して譲らなかった。19歳の前田は4勝2分。35歳の佐山は5勝2KO4敗2分。

狩野(右)は長いリーチをいかして日本王座獲得

◇女子日本アトム級王座決定6回戦
狩野ほのか(世田谷オークラ)[3-0(60-54×3)]モンブランみき(一力)
 ランク1位の狩野は昨年9月、WBOアジアパシフィック王座決定戦で山中菫(真正)に敗れ、今回が2試合続けてのタイトルマッチ。ランク2位のみきは3度目の日本タイトルマッチ挑戦となった。試合は初回から打撃戦。長身の狩野が上下に打ち分けて優位に立つと、2回にも返しの左フックを立て続けに決めた。

 みきも闘争心を前面に出して右を打ち込んで対抗するが、リーチのある狩野が手数で上回り、コンビネーションを次々と決めてラウンドを重ねた。みきは最後まであきらめなかったが、狩野のペースは落ちなかった。狩野は5勝2KO1敗2分。「前回負けてからもう一度タイトルマッチが来たら落とせないと思っていた」とホットした表情を浮かべた。4連敗のみきは4勝1KO6敗1分。 観衆=585人

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