「朝ベルトを見て、あ、俺は世界チャンピオンになったんだと実感しました」
サプライズの初回KO勝ちでWBA世界ミニマム級王座に就いた石井武志(大橋)が3日、所属ジムでの一夜明け会見で改めて喜びを語った。試合後一睡もしていないという新チャンピオンは、「すごくうれしい、夢のような時間を過ごさせてもらっている」と今の気持ちを口にした。

一夜明けて会見を行った新王者石井㊨とホープ藤木
1ラウンドから攻めるのは陣営の作戦だったが、まさか初回に倒すとは、大橋秀行会長、八重樫東トレーナーも予想外だったと明かした。KOタイムの「65秒」は日本選手の世界獲得最短記録。本人もすぐには気づかず、リングを降りて先輩の井上尚弥に挨拶したところ、「タケシ、俺の記録抜いちゃったね」と言われて初めて知ったという。
試合を振り返って、「たまたまいいパンチが当たって倒せた。(カウント)エイトぐらいで、立ってくれるなと正直思って、10カウント聞いた瞬間は言葉にならないぐらいの感情がこみあげてきました」と石井。12ラウンド戦い抜いて勝つことも想定していたというが、決定打となった左ボディーは狙ってはいなかったものの、練習してきたパンチだったという。
かつて大橋会長、八重樫トレーナーも手にした同じベルトが石井に受け継がれたことに「すごい不思議な気持ち」と大橋会長。石井は「このベルトに誇りを持っています。すごい価値があるベルトだと思っています」と語った。
大橋ジム6人目の世界チャンピオン誕生は、大橋会長が所属したヨネクラジムの5人を抜く記録。この日ジムの先輩で6月2日に死去したガッツ石松さんのお別れ会に出席してから横浜に移動した大橋会長は「ガッツさんと米倉会長が降りてきて力を貸してくれた、何かの力が働いたとしか思えない」と喜びをかみしめていた。
初防衛戦については、年内に指名試合を行う予定という。今後は日本選手との対戦にも意欲的。特に前王者の松本流星(帝拳)との対戦も期待されるが、石井は「前にも言ったように、自分より強いと言われる人とやって勝つのが本当に強いやつだと思うので、そこを目指してがんばって行きたい」と前向きだった。
■次はWBCユース・ライト級王座挑戦の藤木勇我
ダブル世界戦の前座でプロ第2戦に快勝した「ザ・キング」こと藤木勇我も会見に応じ、「1ラウンド目からしっかりジャブ突いて、自分が想定していた通りに行ったかな」と、まずまずの試合を振り返った。快勝とはいえ反省点も認識し「ロープを背負った時の対処」と明かした。
次の3戦目で地域タイトル挑戦を目指したが、契約が成立せず、代わりにライト級でWBCユース王座に挑むことが承認されていると大橋会長が明らかにしている。「このタイトルを取ればランキングも上位のほうに行くと思うので、いいとこだらけ」と藤木。

