セムジュ・デビッドTKO戴冠 石脇麻生をストップ
2024年8月28日 2時10分
2024年8月28日 1時09分
27日、後楽園ホールの「フェニックスバトル」セミファイナルで行われた日本S・フェザー級タイトルマッチ10回戦は、チャンピオンの奈良井翼(RK蒲田)が1位挑戦者・福井貫太(石田)に96—94、96—94、97—93の3—0判定で勝利。王座の初防衛に成功した。
リング上でのインタビューで、開口一番「僕の負けでした」と率直な気持ちを表した奈良井。自分のボクシングをできなかった思いが強かったのだろう。5回終了後のオープンスコアでジャッジ三者が48—47と1ポイント差をつける2-1でチャレンジャーがリード。残り半分のラウンドで逆転した形で、奈良井にとっては厳しい展開が続いた。
果敢に間合いを詰めていき、強打を振るうスタイルから、丁寧にジャブでボクシングを作る。モデルチェンジの過程で4月に王座を獲得した奈良井は、その完成を追求しているのだろう。だが、この試合に関していえば、スタイリッシュなボクシングだからこそ、挑戦者・福井は対峙しやすかったように感じる。
小刻みなフットワークから放つジャブで展開を作りたい奈良井だが、福井はそのジャブに必ず右クロスを狙う。その意図を察知した奈良井だからこそ、効果的なジャブを打ち込めない。だが、距離を詰めていきたい意識はありありで、それも福井は逆手にとって待ち構える。福井は後ろ足(右足)で距離とバランスを取りながら左を伸ばす。これは当てる目的でなく、敢えて奈良井の眼前で止めて奈良井の右リターンを引き出させるもの。奈良井が右を出せば、そこへ左を合わせたり、右カウンターを狙ったりと、常に“後の先”を取ろうとした。
2回に右のヒットをきっかけに奈良井が連打を仕掛けたが、福井は右を返して奈良井の足をバタつかせた。この一撃も奈良井の警戒心を増幅させたはずだ。攻撃を仕掛けたくても仕掛けられない奈良井、奈良井の先手を誘い出したい福井。ともにアクションの乏しい展開が続いた。
5回の公開採点を境に、試合はゆるやかに動き出す。福井の右に対して左フックを被せたり、ジャブ起点の思いを捨てて右から入っていったりと変化を加え始めた奈良井。福井はクリーンヒットこそ奪わせないが、おびき寄せるスタイルを徐々に崩されていった。
最後の最後まで奈良井の歯車を狂わせていた福井だが、惜しむらくは前に出る場面がほとんど見られなかった点。最終盤で攻勢を強めていった奈良井とは、そこで差が生まれてしまった。
辛くも初防衛に成功した奈良井は14勝10KO2敗。大きなチャンスを逃してしまった福井は12勝8KO6敗1分。
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