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キーショーン・デービス、体重超過のレモスをKO

2024年11月9日 17時33分

 現地時間8日、米バージニア州ノーフォークのノーフォーク・スコープ・アリーナでトップランク主催興行が行われ、メインイベントではWBC、IBF、WBOでライト級3位につけるキーショーン・デービス(米国)がIBF同級6位のグスタボ・レモス(アルゼンチン)に2回1分8秒KO勝ち。


 ライト級リミットは135ポンドながら前日の公式計量を134.2ポンド(約60.8Kg)でクリアしたデービスに対して、141.4ポンドと約2.9Kgオーバーしたレモス。計量後のインタビューでは「ちょっと油断してしまった、ウェイトを造ることができなかった。しかし私は勝つためにこの地にやってきたんだ。試合は行われるべきだと思う」とファイトマネーをキープするために(?)手前勝手なコメントを残し、ブーイングを浴びた。

体重超過のレモスを倒したデービス photo/Mikey Williams(Top Rank)

 バージニア州コミッションはレモスに対して当日計量で146ポンド(約66.2Kg)以上増やさないことを条件に試合を承認。レモスは当日の朝に計量し、144.6ポンド(約65.5Kg)で試合は挙行されたが、デービスの保持するWBOインターコンチネンタル、IBF全米、WBC・USAの3つの王座はレモスが勝利しても獲得できない。ESPNはレモスが試合直前に155.4ポンド(約70.4Kg)と、当日計量をクリアしてから約5Kg増量したことを報じている。

 初回、距離を詰めようと前に出るレモスに対してデービスはシャープなジャブを上下に散らし距離をキープ。2回もレモスが前に出てくると、大きな左フックを外したデービスの右がカウンターとなりヒット。レモスがダウンする。すぐに立ち上がったレモスは再び前進するものの、デービスの左フックをアゴに食ってバランスを崩し、2度目のダウンを喫した。

 カウント8で再開されるが、デービスのコンビネーションが上下に入りレモスの動きが止まったところでレフェリーが割って入った。倒れかかったレモスの足が引っかかり、ラウル・カイズJr主審もキャンバスに倒れ込む幕切れとなった。

 2月に元2階級制覇王者のホセ・ペドラサ(プエルトリコ)、7月には当時WBO4位のマドゥエニョ(メキシコ)と強敵を連破している25歳のデービス(東京五輪ライト級銀メダリスト)は12戦全勝8KO。生まれ故郷のノーフォークで今回も快勝を収めた。一方のレモスは29勝19KO2敗とし、アメリカ2連敗。

 セミファイナルのWBO北米ミドル級タイトルマッチは王者でWBO10位のトロイ・アイズレー(米国/158.9ポンド)がタイラー・ハワード(米国/159.8ポンド)に10回判定勝利。王座を防衛した(99-91が2者、98-92の3-0)。

 リングの中央で両者左の差し合いからスタート。シャープなパンチの交換となるが、的確性と手数でアイズレーがポイントを加算。やや盛り上がりに欠ける展開ながらリードを広げていく。

 中盤に入っても展開は変わらず、ハワードはアイズレーの的確なコンビネーションに少しずつダメージをためていく。被弾を抑えながら慎重な戦いぶりを見せるアイズレーはその後もリードを広げた。最終回はハワードがコンパクトな右ストレートでアイズレーをロープ際に押し込むなど粘ったが、アイズレーは追撃打をしっかりと防いだ。WBCでは同級11位にランクされる26歳のアイズレーは14戦全勝5KO。30歳のハワードは20勝11KO2敗。

 ライト級8回戦は、トップランクが推すホープでWBC同級25位に躍進中のアブドゥラ・メイソン(米国/135.7ポンド)がヨアン・バスケス(ドミニカ共和国/134.2ポンド)に逆転の2回1分59秒KO勝ち。

 開始直後、いきなりメイソンが左フックを浴び左手をキャンバスに着くと、会場が騒然となった。再開後のバスケスの右で腰が落ちるメイソン。バスケスはチャンスと見たか、猛然と攻めかかった。しかしそこにメイソンの左がカウンターとなって決まると、今度はバスケスがドスンとダウンする。

 立ち上がったバスケスだが、こちらは見た目にもダメージは甚大。メイソンの逆転KOを予感させた。ところが再開直後、攻めかかったメイソンはバスケスの左フックで再びダウン。

 2回に入り、深いダメージを感じさせるバスケスに対しメイソンが冷静にプレス。左ボディーをヒットし、バスケスが右ひざを着いてダウンすると、初回のダメージも影響したか、そのままカウントアウトとなった。

 キーショーンの3歳上の兄、ケルビン・デービス(米国/142.5ポンド)は143ポンド契約8回戦でイェイス・ソラノ(コロンビア/142.7ポンド)に8回判定勝ち(80-71、79-72が2者の3-0)。

 サウスポー同士の対戦は上背で大きく勝るデービスが、ロープ際をサークリングするディフェンシブなソラノをアウトボクシングする展開。4回終了間際に左ストレートをアゴ先に見舞い、5回にも左ストレートをテンプルに打ち込んだデービスだが、退がりながらも時折飛んでくるソラノのビッグパンチを警戒しながらの戦い。最終8回終了間際にジャブをタイミングよく当ててダウンを奪ったものの、再開直後にゴングを聞いた。27歳のケルビンは14戦全勝7KO、32歳のソラノは15勝10KO4敗。

 そしてキーショーンの2歳下の弟、キーオン・デービス(米国/148.7ポンド)もデビュー戦で出場した。ジャレン・ムーア(米国/150.4ポンド)とスーパーウェルター級4回戦を行い、フルマークの4回判定勝利だった。23歳のキーオンは1勝、同じく23歳のムーアは1勝1KO2敗。

 フェザー級10回戦は、昨年6月にアウェーでサム・グッドマン(豪州)に12回判定負けを喫し、IBFスーパーバンタム級指名挑戦権を逃したライース・アリーム(米国/126.9ポンド)が長いブランクからの復帰戦。デルリン・ヘルナンデス(ドミニカ共和国/126.9ポンド)にフルマークの10回判定勝ちを収めた。5回にダウンを奪い、復帰を果たした34歳のアリームは21勝12KO1敗。31歳のヘルナンデスは12勝10KO3敗1分。

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