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井上浩樹KO再起「楽しかった」 大橋蓮の強打さく裂

2025年4月1日 0時34分

 31日、東京・後楽園ホールで開催された『第132回フェニックスバトル』のメインイベント、67.0kg契約8回戦は、前WBOアジアパシフィックS・ライト級王者(現OPBFウェルター級4位)井上浩樹(大橋)が、ミハイル・レスニコフ(ロシア/ベトナム)を3回3分4秒、左ボディーブローでKO。昨年2月にOPBF王者・永田大士(三迫)との王座統一戦に敗れて以来のリング復帰を果たした。

レスニコフを左ボディーアッパーで悶絶させた井上

「1、2ラウンドはめちゃくちゃ硬くて、相手を警戒しすぎてよくなかった」という井上。だが、小刻みに半歩ステップバックしながら左へ回る動きを繰り返して“本番”の感触を確かめると、右を合わせにかかるレスニコフの攻撃をかわしつつ、右リードを差し込みながら左強打を上下に合わせていった。

 そして3回終了間際、右フックから左ダブルで煽ってレスニコフを前屈みにしたところで左ボディーアッパーをグサリ。たまらず両ヒザを着いたレスニコフは、ヒザ立ち状態でキャンバスを這いずり回りながらカウントアウトされた。

「みなさんのおかげで楽しくボクシングできました。今後はウェルター級で」と階級を上げて戦うことを宣言。「これでバトンを渡すと言ったら畏れ多いですが、次はサポートに回りたい」と5月に米・ラスベガスに再登場する井上尚弥のバックアップに向かう。

 井上(32歳)は18勝15KO2敗。レスニコフ(29歳)は8勝3KO6敗1分。

 セミのミニマム級日本ランカー対決(8回戦)は、3位の森且貴(大橋)が9位の諸岡直樹(セレス)に79-73、80-72、80-72の大差3-0判定勝利を収めた。

 森の左ジャブに対し、待ち構える諸岡は右クロスを狙うが、出入りで押し引きをうまく使う森が徐々に上回っていく。はっきりと差をつけたのは森の左ボディーブロー。右強打を見せておいてのボディーが効いた諸岡は、何度もピンチを迎えた。

 だが諸岡はその都度、ダウンを拒絶するどころかしっかりと反撃を見せる。中でも森のコンビネーションの合間に放つ右はタイミングもよく、ハッとする場面がいくつもあった。しかし森は決してムキにならずステップバックして連打を食わず、間を埋めるジャブを入れて立て直し、ふたたび攻撃に移る。剛と柔を織り交ぜたスタイルをさらに前進させていた。

 三度目の日本王座挑戦、そして獲得を期す森(25歳)は13勝3KO4敗。勝敗を並べることができなかったものの、確かな技術と粘りを見せた諸岡(32歳)は8勝3KO10敗。

比国選手を失神させた大橋

 フェザー級8回戦は、大橋蓮(大橋)がフィリピンS・バンタム級15位のレイカー・アウグジリオ(フィリピン)を2回1分22秒TKO。デビューから3連続KO勝利となった。

 サウスポー同士の戦いは、初回に大橋がアウグジリオのガード外に叩きつけた左でダウンを奪うと、2回に左アッパーで効かせ、追撃の左ストレートでアウグジリオを大の字に。レフェリーがノーカウントで試合を止めた。

 大橋の右ジャブに対し、アウグジリオは怖いタイミングの左クロスを狙っていたが、試合を長引かせなかった大橋のコンタクト力が見事だった。アウグジリオ(27歳)は7勝6KO5敗1分。

 日本ユース・ミニマム級王者で日本8位北野武郎(大橋)がIBF5位にランクされるジェイク・アンパロ(フィリピン)に挑んだ48.0kg契約8回戦は、北野が計3度のダウンを奪う快勝。仕留めることこそできなかったものの、79-70、80-69、80-69の大差3-0判定勝利を収めた。

 初回にワンツーで、3回に左ストレートから左アッパーと、左ストレート連打で2度ダウンを奪った北野。世界ランカーを完全にのんだ形で試合を進めていく。

 アンパロは、1発目の右で頭を下げさせて、2発目の右でそこを狙うパターンを得意とするが、北野はこれを完全に読んでアンパロをすかし、左を決める。

 だが、左強打狙いとなって、右が疎かになると、アンパロも北野の左を読んで右を合わせるシーンも。すると北野は右ジャブに右フックも多く出し始め、より左の精度を高めていった。何度も首をかしげ、仕留められなかったことに不服そうな北野だが、世界ランカーに完勝したのだから十分合格点だろう。北野(20歳)は8勝3KO1分。アンパロ(27歳)は16勝4KO7敗1分。

 日本ランカー対決となったS・ウェルター級8回戦は、4位の安達陸虎(大橋)と6位の神風藍(RK蒲田)がジャッジ三者とも76-76とする引き分けとなった。

 シャープな左ジャブとコンパクトな左フック、ワンツーで攻める安達に対し、神風が重い左ジャブを打ち始めると接戦に突入。接近戦で神風が手数を増せば、安達が長いリーチをたたんで放つコンパクトな右アッパー、左フックが冴える。7回に打ち合いが始まると、最終回は神風の左カウンターで安達がよろめき、安達の左フックで神風が動きを止める。しかし両者とも最後までキャンバスを舐めることを拒否。最後の最後まで両者譲らない好ファイトが繰り広げられた。

 安達(27歳)は19勝14KO4敗1分。ミドル級から階級を下げ、本名の友松からリングネーム変更初戦だった神風(30歳)は4勝1KO3敗2分。

 S・ライト級8回戦は、日本15位の中島海二(八王子中屋)が寺田龍覇(白銀)に6回2分TKO勝ちした。

 サウスポーの寺田がステップと上体の柔軟性を生かしながら左ストレート、左アッパーを決めれば、長身の中島は右強打で盛り返す。めまぐるしく主導権が行き来する好ファイトだったが、3回に中島の右で寺田が左目上をカット。この傷を6回にチェックしたドクターの進言を受けてレフェリーがストップした。

 互いに持ち味を生かす見所あるせめぎ合いだっただけに、残念な終わり方だった。右強打を当てるための布石づくりが上手かった中島、足運びとボディーワークをうまく使いながら出入りするボクシングが上手な寺田。まだまだこの先が楽しみな両者だ。中島(22歳)は8勝7KO1敗。寺田(27歳)は6勝2KO1敗3分。

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