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だれもがターゲットは“モンスター”井上尚弥

リング誌ランキングを読む Part15 バンタム級 
だれもがターゲットは“モンスター”井上尚弥

2020年6月3日 11時51分

 アメリカのボクシング専門誌「ザ・リング」のオリジナルランキングを読む企画の第15弾はバンタム級。このクラスのトップには全階級を通じたパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングで3位につける井上尚弥(大橋)が君臨する。はたして井上の対抗馬になりうる者は─。

■バンタム級
C 井上尚弥(大橋=WBAスーパー王者、IBF王者)
1 ノニト・ドネア(比)
2 ノルディーヌ・ウバーリ(仏=WBC王者)
3 ジョンリール・カシメロ(比=WBO王者)
4 エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)
5 ゾラニ・テテ(南アフリカ)
6 ジェーソン・モロニー(豪)
7 ジョシュア・グリア(米)
8 井上拓真(大橋)
9 ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ=WBA王者)
10 オスカル・ネグレテ(コロンビア)

 チャンピオンは文句なしで井上だ。18年にS・フライ級からバンタム級に進出して、WBA王者ジェイミー・マクドネル(英)、元WBAスーパー王者フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、IBF王者ロドリゲスをいずれも一蹴。WBSS決勝のドネア戦はフルラウンドまでもつれたが、むしろピンチでの対応力、耐久力の高さを見せつけたと言える。

昨年11月の井上vs.ドネア

 井上との3団体統一戦を控えるWBO王者カシメロが3位。L・フライ級、フライ級を制してバンタム級に進出し、昨年11月にはテテを番狂わせの3回KOで下して3階級制覇を達成した。

 WBSSをクリアして4団体制覇を目指す井上がカシメロをどう料理するのか。一発のあるカシメロがどうやってアップセットを起こそうとするのか。興味の尽きない一戦の新たなスケジュール発表が待ち遠しい。

 ドネアが1位にランクされているのは井上と激戦を演じた試合が大きいだろう。5階級制覇のベテランは再起戦でウバーリへ挑戦する予定だったが、5月開催を目指していた試合は新型コロナウイルスの影響で延期となっている。

ウバーリは拓真を退けた

 そのウバーリが3位。昨年11月、暫定王者だった井上拓真を持ち前のテンポの速い攻撃で退けたのは記憶に新しい。ドネア戦に勝利すれば“モンスター”との大一番に前進できるが、はたしてドネアを下せるか。いずれにしてもモチベーションはマックスだろう。

 昨年5月のWBSS準決勝で井上に2回TKO負けした前IBF王者ロドリゲスが4位につける。11月に元王者ルイス・ネリ(メキシコ)とのWBC挑戦者決定戦が組まれながら、“常習犯”ネリの体重超過で試合が中止になったのは気の毒だった。

昨年11月、カシメロはテテを仕留めた

 5位テテはWBSSにエントリーしながら、けがを理由に準決勝を直前でキャンセル。昨年11月の復帰戦ではカシメロに足元を救われ、大きく後退してしまった。長身サウスポーはこれから真価を問われることになるだろう。

 WBSS初戦でロドリゲスに競り負けたモロニーが6位。これまでは母国を主戦場としていたが、トップランクと契約を結び今年からアメリカに進出する。最新情報では6月25日、10位ネグレテとの対戦が決定。同じトップランク傘下、井上の対戦相手候補に浮上するような試合内容が期待される。

 この中で唯一新鋭といえるのが7位のグリアだ。こちらもトップランク傘下で、早くも井上との対戦を口にするなど威勢がいい。WBO1位、IBF2位につけており、近い将来タイトルに絡んでくるだろう。グリアも6月16日のトップランク興行に出場を予定している。

 復活を期す拓真が8位。五輪2大会連続金メダルの大ベテラン、リゴンドウが9位につける。リゴンドウは今年2月、39歳にして元S・フライ級王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)との王座決定戦を制してWBA“レギュラー”王座に就いた。

 さすがに全盛期より力は落ちているが、マイペースな「負けない」戦いぶりはいまだ健在。井上の対戦相手として評価する声は多く、リゴンドウからも前向きな発言が聞こえてくる。はたして来年以降、井上vs.リゴンドウは実現するだろうか。Photos/SUMIO YAMADA

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