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WBOフライ級戦展望 中谷潤人は強打アコスタをどう料理するのか

2021年9月8日 9時54分

 WBOフライ級チャンピオン中谷潤人(M.T)が10日(日本時間11日)にようやく初防衛戦のリングに立つ。米国アリゾナ州ツーソンで、指名挑戦者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)と対決。メインのオスカル・バルデス(メキシコ)のドーピング問題のせいで興行の開催が危ぶまれ、中谷の試合もどうなることかとハラハラしたファンもいただろう。ぜひともここは中谷にメインを食う試合を期待したい。

王者の中谷(左)と挑戦者のアコスタ

 中谷(21勝16KO無敗)といえば、中学を卒業し15歳で単身ロサンゼルスに渡り修行。米国のリングではアマチュアの試合を数戦経験しているが、プロでは今回が初めて。心強いのは、これまでボクサー中谷を育ててくれたルディ・エルナンデス、岡辺大介らのトレーナー陣とロスで合流し、ツーソン入りするまでにしっかり調整に励んでいることだ。

 渡米までにも、岡辺トレーナーは7月末まで日本のM.Tジムで中谷の練習に付き合っていた。岡辺氏は中谷が「リング中央で戦える距離をつかみ、維持すること」をひとつのキーにあげ、理想的な勝利パターンをこう語っていた。

「潤人は接近戦も得意なので、アッパーを顔と腹にインサイドから叩けば有効なはず。アコスタが後半落ちてきたところで倒せれば最高です」

 アコスタについては2017年に日本で田中恒成(畑中)のL・フライ級王座に挑戦して判定負けしているから、記憶しているファンも多いだろう。その後田中が返上した王座を獲得し、3度の防衛はいずれもKO勝ちだった。

 19年6月、アコスタはエルウィン・ソト(メキシコ)に最終回ストップ負けで無冠に追われ、フライ級に転じた。最新の試合(今年3月)で自身初の判定勝ちを経験したが、S・フライ級の体重だったことも影響したかもしれない。

 22勝21KO2敗、KO率87.5パーセント――何といってもアコスタの特徴はそのパンチャーぶりで、フライ級であってもこれは警戒すべき点。中谷自身も承知している。「特にフック系、振ってくるパンチが強いので、そこはいかにじらすか。体の上からでも当てさせないように、意識して練習しています」という。

 そして、「パンチャーで運動神経もある選手。感覚で当たると思ったら振ってくるので、そういう距離にいないということ、集中力の要る試合になってくる」とチャンピオンは意識を高めている。

 もっとも、台頭時は「ウィルフレド・ゴメスの再来」と同じプエルトリコのKOキングになぞらえて騒がれたアコスタも、敗れた2試合でダウンを喫するなど打たれ強いという印象はない。サイズに恵まれたサウスポーの中谷がアコスタの決定打を外し、自分のペースにはめ込めば、快勝シーンも想像可能だ。

 試合の1ヵ月前に渡米して準備している中谷のコンディショニングにも期待できる。スリリングな展開の末に、中谷が望む「アメリカのファンにインパクトを与える」結末が見られるのでは――。試合は日本時間11日午前10時からWOWOWで生中継される。

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