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性転換の元WBC女子世界王者、真道ゴーが男子プロテスト受験目指し練習公開

2022年4月21日 23時44分

 元WBC女子フライ級王者で17年に引退、性転換手術を受け、戸籍を男性に変えた真道ゴー(34=橋本浩)が21日、所属したグリーンツダジム(大阪市東成区)で記者会見、「やり残したことがある。男子ボクサーとしてリングで戦いたい」と現役復帰を正式表明した。

スパーリングを披露した真道

 真道は5月15日に大阪市の井岡弘樹ジムで行われるプロテストを受験しようとしている。だが、JBCが財政難で3月31日に解散、清算手続きに入っているため4月以降のプロテスト受験の手続きができない状態。受験資格はこれまで34歳となっており、7月に35歳を迎える真道には残された時間がなく、現状のままでは現役復帰は厳しい状況だ。

 和歌山市出身の真道は天理大学1年までバスケットボールの選手。長く性同一障害に悩んでいたが、大学中退後、レスキュー隊員を目指し、同市内のクラトキジムでトレーニングを続けるうちにボクシングに夢中になった。

 08年5月にプロデビュー、秋田屋まさえ(ワイルドビート)に敗れたが、その後は右強打で頭角を現し、13年3月、和歌山市でレナタ・セベレディ(ハンガリー)を破り、WBC女子フライ級王者になり2度防衛。15年、グリーンツダに移籍。16年6月、後楽園ホールでWBO女子世界王者、藤岡奈穂子(竹原&畑山)に挑戦するもダウンの応酬の激闘の末、判定負けしたのがラストファイト。戦績は16勝11KO4敗。

 真道は引退した17年にタイで性適合手術を受け、戸籍変更して一般女性と結婚、3児の父となり、和歌山市内で福祉施設を運営している。「コロナの中で障害を持つ子どもたちを支援していますが、まず私が輝いていかなければ子どもたちの手本になることができない。あと1年で35歳になるので、自分らしい道を歩んでいきたいと考え抜いて、ボクサーに戻る決意を固めました」と復帰の動機を説明した。

 昨年8月、真道の再デビューの願いを聞いた本石昌也・グリーンツダジム会長は練習会場を提供するとともに、日本ボクシング界で前例がない性転換ボクサーの現役復帰の道を探った。

 今年3月29日の西日本ボクシング協会理事会で真道の復帰の賛同を得て、4月5日には理事会幹部にジムで真道のスパーリング見てもらい、男性ボクサーとして活動できることを確かめてもらった。12日の全日本ボクシング協会理事会でライセンスを発行するJBCに嘆願書を提出することが決まり、真道の現役復帰の後押しが決まった。

 この日会見の後、真道はフェザー級の岡橋入也(1勝1敗)と2ラウンドのスパーリングを行った。ジャブを伸ばし、右ストレートをヒットするなど体力差をまったく感じさせない動きを見せた。プロテストは4回戦のC級を予定しており、S・フライ級かバンタム級で戦うことにしている。真道は「まだまだイバラの道は続くと思います。未知の世界に飛び込む不安、精神的、体力的不安はあります。ライセンスを取ることが目標ではなく、まず1勝することです」話した。

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