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赤穂亮とカシメロは2回途中で無効試合 伊藤雅雪プロモーター「非常に残念」

2022年12月3日 20時10分

 3日、韓国仁川のパラダイスシティで行われた赤穂亮(横浜光)-ジョンリエル・カシメロ(比)のS・バンタム級10回戦は2回途中で無効試合に――。カシメロの後頭部打ちでダメージを受けた赤穂が試合続行に応じられなくなったもの。赤穂がボクシング人生をかけて臨んだ一番は、無情の結末となった。

注目試合は無念の結末に…

 赤穂の入りはよかった。カシメロのスイングに対する反応がよく、攻めては右ボディストレート、左ボディフック(ローブローの注意)を放つタイミングもシャープ。16ヵ月ぶりのカシメロも嗅覚鋭く、2回になるとこれを抑えに強く攻めて出てきた。

 両者の攻防のピッチが上がった。そしてカシメロが左フックのダブルからさらに突進したところを、赤穂がいなしながら左フックを引っかける。前のめりになってグローブをついたカシメロにダウンが宣告された。

ダウンを奪った赤穂

 効いたダウンではなかったが、再開後カシメロは即座に挽回を図る。右ストレート、左フックと迫力たっぷりの反撃で赤穂を追いかけた。ロープを背負って猛攻された赤穂にはダメージがうかがえたが、より深刻だったのは後頭部打ちだった。

 ラウンド終盤、染谷主審が試合を中断してカシメロに注意をし、赤穂に休憩時間を与える。しかし赤穂は椅子に座って回復を待ったものの再開に応じられず、現地コミッションのルールによりここで無効試合となった。

赤穂に襲いかかるカシメロ

 試合後もしばらく椅子から立てなかった赤穂は控室に戻ってインタビューに応じた。後頭部を打たれて「ブワーンとした感じだった」という。休憩を与えられた間も、足に力が入らず「立っているのか、座っているのか分からなかった」。

 「カシメロの踏み込みの速さやパンチ力は思った以上ではなかった。ダウンを奪って、どこかで『当たるじゃん』って安心した自分もいたのかも。悔いなく仕上げてきたので、今『もう一度やりたい』とか『もういいや』という感情はないですね」

 一方のカシメロは「最初のラウンドで赤穂は効いていた。2回は、テンプルとアゴは打ったけど、後頭部は殴っていない。ビデオを見れば分かる」と説明。お互いに無念の結果となったが、会見後カシメロと赤穂はリスペクトを伝え合ってハグし、一緒にカメラにおさまっていた。カシメロは31勝21KO4敗1NC、赤穂は39勝26KO2敗2分1NC。

■石井一太郎会長の話

――試合結果について

「試合がノーコンテストになったのは非常に残念。2ラウンド目でカシメロ選手の後頭部へのパンチがあったにせよ、赤穂が招いた部分もあったので。正直、ノーコンテストというのは…」

――ローカルルールが適用されたとのこと

「KBMルールによってのノーコンテストですね。今回の興行はJBCも入っていただいて、KBMとJBCの両方で統括してもらいました。どちらも1番最後の(後頭部パンチ)シーンではなく、試合をさかのぼって見返し、何回も後頭部へのパンチが入っていた、との判断だそうです。ただ観ている人には分からない部分もあると思う。赤穂は立ち上がれなかったわけで。ノーコンテストというのはスポーツとしては、そうなのだろうとは思うけれど…という気持ちです」

■プロモーター 伊藤雅雪氏の話

――メインの試合結果について

「ショックで、残念です。自分にとって初めての興行で、無事に計量もクリアし、契約としてもろもろクリアし、あとは試合が終わればと思っていたが、まさかの展開になりました」

――ローカルルールが適用されたことについて

「こういう展開は予想できていなかったですが、たとえ先に議論していても防げないことだと思います。赤穂さん寄りの判断という意見は心外です。想定外すぎたと思います。誰が見てもカシメロ選手が優位の展開だったので、ノーコンテストというのは本当に残念に思います」

――興行としては

「ほぼ観客席も満員で立ち見も出てくれました。カジノから求められているところは評価されて、次につながる興行となりました。試合運営については、いろいろとケアできることを考えていきたい」

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