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アマチュアとプロでミドル級制覇の偉業 村田諒太よ、お疲れさん!引退特集

2023年4月19日 15時26分

元WBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太が3月28日に会見を開き、正式に現役引退を発表した。オリンピックとプロの両方でチャンピオンに輝いたのは日本人初。しかもミドル級でこれを達成し、その価値は計り知れないものがある。何より勇壮なファイトで観る者に興奮と感動を与えてくれた。村田よ、本当にお疲れさん! 《ボクシング・ビート5月号より》

村田諒太の引退会見は3月28日、都内のホテルで開かれた。

「本日をもってプロボクサー村田諒太は引退いたします」。村田の口からそう告げられると、既定の事実ではあったが、やはり来るべき時がきたかとの思いがする。

ミドル級でアマチュア世界選手権銀メダル、ロンドン五輪金メダルの偉業を達成しプロ転向したのが2013年の夏。プロでも17年10月にアッサン・エンダム(仏)を7回終了TKOに破って竹原慎二以来となるWBAミドル級王座奪取を果たした。この王座はラスベガスでロブ・ブラント(米)に奪われたが、再戦では総攻撃を実らせて見事奪還。コロナ禍のブランクの後、夢のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦に臨み、激闘の末9回TKO負けに退いた。

会見の冒頭で村田はまず帝拳ジムスタッフをはじめ、スポンサーに対し感謝の言葉を延々とつないだ。「全部紹介すると1時間ではすまない」とは、村田なら冗談に聞こえない。それほど多くの関係者、企業が“村田プロジェクト”を支えていたということだろう。言うまでもなく、金の村田が歩んだチャンピオンロードのことだ。

村田は「これから先も自分自身で何かを成し遂げるということはなかなかできない。皆さまと一緒に成し遂げられれば」とし、「この会見は引退という名のスタート、よりよい社会、未来をつくるためのスタートだと思っています」。

ゴロフキン戦から一年、村田の引退は既定路線だったものの、決断には時間がかかった。仮に再びリングに上がればさらに稼げたはずで、本田明彦会長によるとゴロフキン戦が海外でも高く評価され、実際に試合のオファーも多かったそうだ。しかし最終的に結論は変わらなかった。

「これ以上ボクシングに求めること、ボクシング界にできることがあまり見つからなかった」と村田は説明した。今後について具体的なことは明言しなかったが、いろいろと勉強中というのも努力家村田らしい。ボクシングに関しても現役時代からの解説のほか、携わる機会があれば前向きな姿勢である。

プロ19戦(16勝13KO3敗)で思い出に残る試合には、デビューの柴田明雄戦をあげた。期待を背負ってプロに転向し、「あそこで負けたら究極の出オチだった」(村田)という最も緊張した試合。それに、柴田さんへの感謝の気持ちが何より大きいのだという。

「12回戦の選手であって、6回戦でデビュー戦の僕と戦う必要がないのに、僕の条件をのんでくれ、失うものが多くあるであろう条件を受けてくれた」。別掲の記事にある通り、柴田さんもまたあの日想像を絶するプレッシャーの中でリングに上がり、そして現在は試合をしたことに感謝していた。実際に拳で打ち合った同士が何年経ってもお互いをリスペクトし合う、なんとすばらしい関係だろう。..

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