フィリピン・ボクシングを統括する団体としてはフィリピン政府公認の『GAB(Games and Amusements Board)』があり、NGOではないものの『PBF(Philippine Boxing Federation)』も古くから認知されている。いずれもフィリピン・ボクシング界を支えてきたが、このほど新しい団体が設立された。新団体は『PBO(Philippine Boxing Organization)』と名付けられ発足、4月30日にはマニラのパラニャケ市にてPBOスーパーフライ級王座決定戦が行われた。

現在、日本ボクシングコミッションがフィリピン・チャンピオンと認定するのは『GAB』チャンピオンのみ。『PBF』のチャンピオンは認めておらず、今後『PBO』も同列の扱いになると思われるが、『PBO』そして『PBF』も個々の興行の看板をより盛大にしよう、フィリピンのボクシング界を盛り上げていこうという各プロモーターの思惑が下地にある。その最新新興団体『PBO』の初代会長には“ Mig(ミグ)”の愛称を持つファン・ミゲル・エロルデ氏、名誉会長(Honorary Chairman)にあのマニー・パッキアオ氏が選出されている。
39歳のファン・ミゲル・エロルデ氏はアジア人として初めてボクシング殿堂入りを果たした元世界王者、ガブリエル・“フラッシュ”・エロルデ氏の次男でもある“Johnny(ジャニー)”ことファン・ロッペ・エロルデ氏の息子。19年9月に米国ラスベガスで当時WBO同級王者のエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)に挑戦した実績を持つ元WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者でもある。
また『PBF』もこのほど前会長のダンテ・アルマリオ氏が死去したことで後任にフラッシュ・エロルデ氏の長男、“Bebot(ベボ)”ことガブリエル・エロルデJr.氏が就任。会見では「PBFの皆さんの協力を得て、今後さらなるフィリピン・ボクシング界の活発を目指し尽力することを約束します。まずPBFのタイトルマッチをどんどん増やしていきましょう。それこそ次世代の世界チャンピオン育成に繋がるのです」とコメント。なおこちらのアドバイザーにはジェリー・ペニャロサ氏(元世界2階級制覇王者)が就いている。
国民的英雄の血統が牽引、そして切磋琢磨しながら興行を開催することで、まだまだ野に埋もれた逸材の多いフィリピン・ボクシング界がさらに飛躍するのか注目される。
■初代PBO王者にマグラモ
さて、4月30日に行われたPBOの初代スーパーフライ級王座決定戦は、数々の地域王座を手にした元世界ランカーのジーメル・マグラモとマルコ・ジョン・リメンティゾ(ともにフィリピン)が対戦し、10回判定でマグラモが勝利した。スコアは97-91、98-90、96-92の3-0。
かつて中谷潤人(M.T)と世界王座を争い、現WBOフライ級王者のアンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)も苦しめたマグラモと、スタンスの広いリメンティゾによるペース争い。マグラモは徐々に細かいパンチを上下に当てながら前進し、流れを引き寄せた。このままマグラモが押し切るかと思われた中盤以降、リメンティゾも持ち前のパワーパンチで対抗。しかしリメンティゾは9回にローブローで2度の減点を科されて勝負あり。最終回もマグラモはペースを譲らなかった。マグラモは32勝24KO5敗。リメンティゾは15勝12KO6敗。


