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ウォーリントン終戦…王者カカチェに敗退 期待のシェラーズTKO勝ち ウェンブリー前座から

2024年9月22日 11時12分

 21日(日本時間22日未明)にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたヘビー級戦のセミファイナルは、欧州、英連邦、そしてWBCシルバーの3王座がかかった一戦。結果は欧州チャンピオンのタイラー・デニー(英国/159.75ポンド)がWBCシルバー&英連邦王者のハムザ・シェラーズ(英国/159.5ポンド)に2ラウンド2分5秒TKO負けを喫した。シェラーズは3本のベルトをまとめた。

 世界ランカー対決は、小柄なサウスポーのデニーがいつも通り前に出ようとした開始10秒ほどでシェラーズの左フックがガード越しにヒットし、いきなりのダウン。深いダメージを見せず再開に応じたデニーは2ラウンドも前進するが、残り1分ほどでシェラーズの連打から左右フックを浴びると、自ら腰を下ろし2度目のダウン。立ち上がったもののベイツ主審はダメージが深いと判断し、ストップをかけた。

 当初はクリス・ユーバンクJr(英国)との対戦話も挙がっていたシェラーズはWBC&WBO1位、IBF4位、WBA6位につけており、近い将来の世界戦に期待が高まっている。25歳のシェラーズは21戦全勝17KO。WBC10位、IBF13位の33歳デニーは19勝1KO3敗3分。

◆WBO世界ライトヘビー級暫定王座決定12回戦
ジョシュア・ブアッツィ(英/174.5ポンド)[判定2-1(117-108、115-110、112-113)]ウィリー・ハッチンソン(英/174.75ポンド)

 WBO王者ベテルビエフの4団体統一戦および負傷による延期などにより、承認された暫定王座戦。試合前予想では不利のハッチンソンが初回からスイッチを混ぜながらペースを引き寄せようとする。ブアッツィがプレスを掛け、ハッチンソンが距離を取る展開で迎えた6ラウンド終盤、ロープに詰まったハッチンソンはボディーへパンチをまとめられると根負けしたように両ヒザをついてダウン。

 ここは終了ゴングに生き延びたハッチンソンだが、7ラウンド中盤にテンポアップして連打を返すところ、勢いのまま思い切り頭をぶつけたことで減点1を課されてしまう。その後もブアッツィ・ペースながら、ハッチンソンも反撃を見せ、8ラウンド中盤にはリング上の照明が落ち、暗くなったところで数秒間のタイムとなるアクシデントも発生した。

 9ラウンド早々、ブアッツィが攻めかかると、ここをこらえたハッチンソンが反撃する。しかし残り20秒ほどでブアッツィの左ボディーフックがヒットするとハッチンソンが再びダウン。その後も展開は変わらず、フルラウンドを終了し、意外なスプリット・デシジョンが発表されている。31歳の新王者ブアッツィは19戦全勝13KO、26歳のハッチンソンは18勝13KO2敗。

カカチェの左ロングを浴びるウォーリントン㊧ photo/DAZN

◆IBOスーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
アンソニー・カカチェ(英/129.5ポンド)[判定3-0(118-110、117-111、117-111)]ジョシュ・ウォーリントン(英/129.25ポンド)

 当初、カカチェは5月にジョー・コルディナ(英国)を8回TKOに下して獲得したIBF・S・フェザー級王座の防衛戦も兼ねる予定だった。しかしIBFから同級1位のエドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)戦を9月までに行うよう指示が出されており、それを無視するかたちでウォーリントン戦に。ヌニェス陣営が指名挑戦の延期に同意したという報道もある中、IBFは条件を提示。もしウォーリントンが勝った場合、王座は空位となること、勝者は来年3月までにヌニェスとの指名防衛戦を行うこと――などを挙げている。カカチェ陣営はひとまずコルディナ戦前から保持しているIBO王座防衛戦のみへ切り替えた。

 さて試合はスイッチも得意な長身の王者に対し、ウォーリントンが距離を詰めていくスタート。2ラウンドには長いリーチを持つ王者の懐に入り、ボディーへパンチを集める。王者もロングのアッパーなどを混ぜながら、ウォーリントンが前に出てくるところにパンチを合わせるなど、激しいペース争いが繰り広げられた。

 中盤、くぐってボディーへ照準を定めるウォーリントンに対し、王者はコツコツとジャブ、アッパーをヒットし、有効打数でやや優勢の印象。互いに決定的な場面の少ないまま終盤に入ると、カカチェのクリンチワークが目立ち始め、揉み合いが増えていった。最終回は王者のシューズとリングが合わないのか、何度か滑る場面を見せてゴングを聞いている。

 35歳のカカチェは23勝8KO1敗。IBO王座3度目の防衛に成功した。一方、すでにIBFランキングから名前を消しており、ここ5戦は1勝3敗1分の33歳ウォーリントンは31勝8KO4敗1分に。

◆ミドル級12回戦
ジョシュ・ケリー(英/159ポンド)[判定2-0(114-114、115-113、115-114)]イシュマエル・デービス(英/159.25ポンド)

 リオ五輪ウェルター級ベスト16の肩書をひっさげ、マッチルーム・ボクシングからプロデビューを果たし、石橋を叩くマッチメイクで白星を重ねたものの、ダビ・アバネシャン(アルメニア)に一敗地にまみれ契約終了、ザウアーラント・プロモーションと再契約後も同じ路線を歩む30歳のケリー。WBO・S・ウェルター級2位にランクされるが、サウスポーのノーランカーに苦戦を強いられた。

 ケリーは終始ロープ際をサークリングし、デービスが追い掛ける。ともに手数、アクションが少ない展開。最終回、遅きに失した感のあるスパートをデービスが掛け、右アッパーなどをヒットすると、ケリーは一層激しいサークリングを見せ、クリンチも混ぜながら何とか逃げ切っている。現在はIBF5位、WBCでも12位につける30歳のケリーは16勝8KO1敗1分、29歳のデービスは13勝6KO1敗。

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