井岡一翔届かず… ダウン奪うもマルティネスに3-0判定敗
2025年5月12日 1時02分
2025年5月11日 18時05分
現地時間10日、米カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナにてダブル世界タイトルマッチが開催され、メインはWBO世界スーパーフェザー級チャンピオンのエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ/130ポンド)が同級1位のチャーリー・スアレス(フィリピン/129.9ポンド)に8ラウンド1秒負傷判定勝利。78-75に77-76が2者のスコアで防衛に成功したが、決着をめぐり物議を醸している。
ESPNとトップランクとの契約が7月終了と報じられる中、先週のラスベガス(T-モバイル・アリーナ興行)に続くトップランクのイベント。前日の公式計量で1回目を0.2ポンド(約90グラム)オーバーした王者は、再計量でクリアしゴングに漕ぎつけていた。
開始と同時に持ち味の手数を出すスアレスだが、終了間際に王者の右ストレートを浴びヒザを揺らす。手数の多さはナバレッテも負けていない。その後は両者アクション豊富な展開となり、会場には歓声が起こり続けた。
パワーで劣るスアレスはスイッチを混ぜながら反撃を試みる。6ラウンド序盤、スアレスが左フックを好打すると、ナバレッテは左眉上からかなりの出血。エドワルド・コリヤンテス(米国)レフェリーは偶然のバッティングと裁定した。スアレスはここぞとばかりに攻勢を強め、終了間際にナバレッテの体が流れたところへ右をヒットし、バランスを崩させる。
7ラウンド、左目を気にして血を拭うしぐさの多いナバレッテは気落ちしたのか、手数も減り、ポイントを続けて失う。8ラウンド開始直後にレフェリーが3度目のドクターチェックを入れ、ストップとなった。ESPNは出血が起きた場面をリピート放送し、バッティングではないと述べているが、勝利者コールまで長い時間を要したもののローカル・コミッションの裁定は変わらず負傷判定決着となった。
30歳のナバレッテは40勝32KO2敗1分。23年8月、オスカル・バルデス(メキシコ)との王座決定戦で勝利し手にした王座の3度目の防衛に成功した。一方、16年リオ五輪では後のIBFスーパーフェザー級王者、ジョー・コルディナ(英国)に敗れ1回戦負けだったものの豊富なアマチュア・キャリアを持つ36歳のスアレスは18勝10KO1敗。無念の初黒星となった。
セミファイナルはIBF世界ライト級の正規王者、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が長期休養を申し出たことで設けられた暫定王座決定戦。同級2位のザウル・アブドゥラエフ(ロシア/134.6ポンド)と同級4位、レイモンド・ムラタラ(米国/134.4ポンド)で争われ、12回判定でムラタラが勝利を収めた。スコアは118-110、119-109が2者の3-0。
19年9月、デビン・ヘイニー(米国)とのWBC暫定世界戦に敗れて以来、難敵を相手に9戦全勝(5KO)を収め、約6年ぶりに手にした2度目の世界挑戦となるアブドゥラエフと、トップランクのマッチメイクも手伝い全勝街道を走るムラタラが勢いそのままに戴冠を果たすのか、興味深い対戦。スロースターターの傾向があるアブドゥラエフに対し、ムラタラがシャープなパンチをヒットさせて序盤を優勢に進めた。ハンドスピードを武器にポイントを挙げるムラタラだが、5ラウンド序盤にアブドゥラエフの右ストレートを浴び、ヒヤリとさせられる。
中盤、ムラタラは疲労か、やや手数が減りお互いに有効打こそないものの、アブドゥラエフのジャブが有効と見える展開。終盤も左の差し合いとなる時間が多い。11ラウンドにムラタラの右アッパーでアブドゥラエフが顔を跳ね上げられ、最終回もムラタラが序盤の優勢を生かして危なげなくまとめて終了のゴングを聞いた。
28歳のムラタラは23戦全勝17KO。31歳のアブドゥラエフは20勝12KO2敗。正規王者のロマチェンコは昨冬、ジェルボンテ・デイビス(米国)との統一戦を拒否するなど動向に注目が集まっているが、このまま現役引退となるのか、ムラタラとの団体内統一戦はあるのか気になるところだ。
スーパーフェザー級10回戦は、WBO北米同級チャンピオンでWBC9位、WBOで11位につけるアンドレス・コルテス(米国/131.7ポンド)がサルバドール・ヒメネス(メキシコ/131.9ポンド)に10回判定勝利(3対0/99-91、100-90、100-90)。
コルテスが初回からプレッシャーを掛け、手数でペースを引き寄せていくが、ヒメネスも出入りを見せながら決定打は許さない。ヒメネスはポイントを挙げるほどの攻勢は見せないもののガードをがっちりと固めながらうまく芯を外す。
コルテスが攻めながら詰め切れない展開に対して、中盤にはブーイングが聞こえ始めた。その後はヒメネスがコルテスをロープに詰める場面も見せながら盛り上がりのないフルラウンドを終えている。27歳のコルテスは23戦全勝12KO。29歳のヒメネスは14勝5KO2敗1分。
ウェルター級10回戦はWBO12位、WBC13位にランクされる、ジョバンニ・サンティリャン(米国/147.2ポンド)がアンヘル・ベルトラン(メキシコ/146.6ポンド)と対戦、10回判定でサンティリャンが勝利を収めた。ジャッジ全員が97-93のスコア。
サンティリャンは好戦的なスタイルで高い人気を得ているものの、ややディフェンスに難があるサウスポー。初回、ベルトランはポンポンとジャブを出しながら攻勢をかけた。2ラウンドはサンティリャンが手数を増やしながら前進し得意の展開に持ち込もうとする。
その後はサンティリャンのプレッシャーに対しベルトランも手数とフットワークで対抗するが、6ラウンドはサンティリャンの左右フックがヒットし、徐々に流れが傾いていく印象。しかし7ラウンドはベルトランがペースを渡すまいと手数で反撃。終盤はややサンティリャンのパワーが勝ったか。最終回にサンティリャンの左ボディーアッパーがモロに低く入り、ベルトランに休憩が与えられた。昨年5月にブライアン・ノーマン(米国)とのWBOウェルター級暫定王座決定戦で10回KO負けを喫している33歳のサンティリャン34勝18KO1敗。復帰2連勝。健闘を見せた29歳のベルトランは18勝11KO3敗。
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