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WBA・S・ウェルター級挑戦者決定戦、ソスリンが番狂わせの勝利 ロシア

2025年7月6日 9時06分

 現地時間5日、ロシア・エカテリンブルグのDIVSアリーナにてRCCボクシング・プロモーション主催興行が行われ、同プロモーション傘下の有望選手がこぞって出場した。メインイベントのWBA世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦は、同級3位のマゴメド・クルバノフ(ロシア/154.0ポンド)と同級10位、パベル・ソスリン(ロシア/153.8ポンド)が激突し、12回判定でソスリンが勝利を収めた。スコアは116-112、115-113、112-116の2-1。

 初回、ソスリンはスピード溢れるジャブを突き、一方のクルバノフはしっかりとディフェンスしながら隙をうかがう。4ラウンドにはクルバノフが右アッパー、ソスリンは右ストレートをそれぞれ当て見応えある打撃戦となった。

 6ラウンド、コーナーに詰まったクルバノフだが、笑顔を見せながらアリ・シャッフル。余裕十分をアピールするものの、ソスリンのコンビを浴びてポイントを落とすと、7ラウンドもソスリンの連打で失点。

 クルバノフは8ラウンドもロープを背負い、有効打数でポイントを取られ、その後はソスリンがパワーこそ劣るものの手数で優勢。有効打数でもクルバノフを明確に上回った。迎えた最終回も前半こそクルバノフが頑張るものの、終盤はソスリンが優勢に持ち込んでゴング。世界ランカー対決ながらソスリンの勝利は番狂わせと言っていい。28歳のソスリンは12戦全勝6KO。一方、昨年3月にイズライル・マドリモフ(ウズベキスタン)に5回TKO負けし、WBA世界同級王座奪取に失敗している29歳のクルバノフは26勝14KO2敗。2度目の世界挑戦が遠のいた。

■WBAブリッジャー級にも暫定王者

 セミファイナルのWBA世界ブリッジャー級暫定王座決定戦は同級2位のエフゲニー・ロマノフ(ロシア/223.37ポンド)が同級3位のゲオルギー・ユノヴィドフ(ロシア/222.38ポンド)に6ラウンド終了棄権TKO負け。ユノヴィドフが新暫定チャンピオンとなった。

 がっちり体系のロマノフを上背で約10センチ上回るユノヴィドフが高いガードからジャブ、ワンツーをコツコツと突いていくと、ロマノフも巧みにパンチを上下に打ち分けていく。両者の均衡が崩れ始めたのは4ラウンド。パンチに強弱をつけながらじりじりと前に出ようとするユノヴィドフをロマノフは押し返せず、ロープを背にする場面が出てきた。

 5ラウンドも被弾を増やしてコーナーに詰まるロマノフはガクンとペースダウン、致命打を外すので精一杯。結局、6ラウンド開始前に棄権した。レギュラー王者のムスリム・ガジマゴメドフ(ロシア)との統一戦も楽しみな32歳のユノヴィドフは11勝7KO1敗。39歳のロマノフは19勝12KO2敗。

 WBAスーパーミドル級ゴールド王座決定戦はWBA14位のパベル・シリャギン(ロシア/167.58ポンド)がWBA13位のパブロ・コルソ(アルゼンチン/167.69ポンド)に10回判定勝利した。100-92が2者に99-91の3-0。

 上背で劣るコルソは髪をピンクと紫に染めてリングインし、初回から積極的に攻めかかった。トリッキーな動きと懐の深さが特徴のシリャギンは左を多用しながらペースを引き寄せようとするが、序盤から揉み合いが多く、チャラーム・プラヤドサブ(タイ)レフェリーが忙しい。

 3ラウンドにシリャギンは左側頭部から出血。シリャギンがリングを広く使い、コルソが追いかける展開だが、有効打はどちらも少ない。徐々に疲れだしたコルソは攻めが単調になり、これに乗じてシリャギンのヒットが増えた。が、最後まで揉み合いは多いままゴングを聞いている。IBFスーパーミドル級7位でもある31歳のシリャギンは16勝7KO1分。敗れた25歳のコルソは23戦20KO1敗。こちらもIBFでは14位にランクされている。

■アマ305勝のアグルバ初黒星

 WBAスーパーライト級挑戦者決定戦と謳われた一戦は同級2位のハリトン・アグルバ(ロシア/139.36ポンド)がWBA12位のネストール・ネリ・ムニョス(アルゼンチン/139.58ポンド)に2ラウンドTKO負けを喫する波乱。

 サウスポーのアグルバがジャブ、ワンツーを軸に攻勢をかけるものの、ムニョスはガードを高く上げてしっかりと防いでいく。2ラウンドに入るとムニョスもコンパクトなパンチを出しながら前進。アグルバも対抗してパンチの交換が増えた矢先、ムニョスの左フックがカウンターとなってアグルバのアゴ先を打ち抜いた。

 その場に崩れ落ちたアグルバは立ち上がったものの足元をふらつかせ、ダメージを考慮したレフェリーがストップした。番狂わせを起こした27歳のムニョスは18勝14KO2敗。アマチュア戦績305勝16敗、IBFでも6位につける29歳のアグルバは初黒星(15勝9KO1敗)となった。

 ライトヘビー級8回戦は、ヴァシリ・ヴォイツェホフスキー(ロシア/182.24ポンド)が元WBOラテン同級王者のブライアン・スアレス(アルゼンチン/183.46ポンド)に8回判定勝利。76-76、77-75、77-75の2-0。

 試合は両者の長いジャブの差し合いで幕を開けた。その後、スアレスが前進しヴォイツェホフスキーは自身の距離をキープしながらラウンドが進んだ。互いに1発の破壊力で勝負するのではなく手数で押し切るスタイルとあって、アクションこそ多いもののコツコツとしたパンチの応酬で一進一退。最終回、ヴォイツェホフスキーが前に出て手数をまとめるも、スアレスが反撃して試合終了ゴング。28歳のヴォイツェホフスキーは16戦全勝7KO、33歳のスアレスは20勝19KO4敗。

■WBAスーパーバンタム級9位のシェコフ無敗キープ

 WBA世界スーパーバンタム級2位決定戦と謳われた一戦、WBA同級9位のムハマド・シェコフ(ウズベキスタン/121.8ポンド)と同級10位のロドリゴ・ルイス(アルゼンチン/121.9ポンド)は10回判定でシェコフが勝利した。97-91、96-92、95-93の3-0。

 サウスポーのシェコフは小刻みにステップを刻みながら軽快なフットワークを駆使。対するルイスも力感溢れるパンチを無駄打ちせず出し、初回残り20秒でサウスポーにスイッチして右フックを当てる。

 右手を絶えず動かしながら遠い距離でもジャブを出すスタイルのシェコフが手数で優勢ながら、パワーで勝るルイスもコンパクトなパンチを混ぜ、じりじりと距離を詰めていく。徐々にルイスの動きを読んだか、シェコフは5ラウンド終了間際にマタドールの真似をして両手をひらひらさせるなど、ルイスの打ち終わりに軽いパンチをヒットし始めた。

 しかし7ラウンド終了間際、ルイスが右ストレートをジャブのように出すとシェコフがストンと尻もち。すぐにダウンから立ち上がって再開に応じたシェコフだが、終盤に入ってもフットワークは衰えを見せず、ダウンの影響を感じさせない動きでリードを広げた。最終回残り10秒を切ったところでシェコフは左フックをヒットし、ルイスがバランスを崩し思わず左手を突くとレフェリーは見逃さずカウント8を数えた。WBO3位でもある33歳のシェコフは17勝4KO1分。IBFでも11位にランクされる24歳のルイスは22勝16KO1敗。

 WBAミドル級ゴールド王座決定戦は、WBA13位のバディム・トゥコフ(ロシア)が元世界ランカーのクアドラティロ・アブドゥカフロフ(ウズベキスタン)に7ラウンド終了TKO勝利。IBFでも11位につける31歳のトゥコフは16戦全勝7KO。31歳のアブドゥカフロフは21勝13KO5敗。6ラウンド途中から負傷したのか、最後は左肩の脱臼をうかがわせるように氷嚢で押さえながらリングを下りた。

 ライトヘビー級8回戦は、WBA同級6位でIBFでも13位にランクされるシャラブディン・アタエフ(ロシア)がデビッド・グラドゥン(ロシア)に8回判定勝利。80-72が2者に78-74の3-0。23年タシケント世界選手権クルーザー級金メダリストでもある26歳のアタエフは8戦全勝5KO。34歳のグラドゥンは9勝5KO3敗。

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