19日（日本時間20日）に米国オクソンヒルでIBFライト級挑戦者決定戦に臨む中谷正義（井岡＝同級3位）。評判のテオフィモ・ロペス（米＝同級4位）との対決に向け、井岡ジムで順調に調整を続けている。

　相手のロペスはトップランクが期待をかける21歳。アマチュア時代にリオ五輪に出場し、プロ入り後は13連勝中（11KO）。特に最近はメイソン・メナードやディエゴ・マグダレノ、エディス・タットリと実績のある相手との試合でインパクト抜群の倒し屋ぶりを見せている。最強ワシル・ロマチェンコを挑発するほどイケイケのホープなのだ。

　そんなロペスと戦う中谷（18勝12KO無敗）は落ち着いている。プロ7戦目で獲ったOPBF王座を足かけ5年で守ること11度。中谷も30歳となり、経験豊かなベテランとなった。

「周囲の評価はすごいですけども、これまでチャンピオンや世界レベルの選手をいろいろと見てきた中では、それほど」とロペスの映像を見た感想を語る。本番まで約2週間となったが、「ここまでは大丈夫です」と笑顔ものぞかせた。

「ま、ロペスは勢いがありますからね。それにのまれへんように。あと僕が海外のリングで普段通りに自分を出せるのかも重要になりますね」と中谷。

「僕はもともと試合前のルーティンを決めていないから」と笑うものの、いざ海外で面食らうことが極力ないように、様々なシチュエーションを想定しているようだ。

　強敵ロペスを破れば念願の世界王座にグッと近づく。王者リチャード・コミー（ガーナ）が先日行った初防衛戦も見ていないのは、目の前のロペス戦に集中したいから。「1ラウンドから勝負していきますよ」と中谷。メキシコから招いたパートナーを相手にしたスパーリングでは、キレのある左ジャブ、ボディアッパーを打ち込んでいた。一行は14日に日本を発つ予定だ。