29日（日本時間30日）米フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロック・ホテル＆カジノで開催されたWBAヘビー級レギュラー王座決定戦は、WBAヘビー級暫定王者トレバー・ブライアン（米）が元WBCヘビー級王者バーメイン・スタイバーン（ハイチ＝カナダ）に11回1分26秒TKO勝ち。前王者マヌエル・チャー（ドイツ＝シリア）3年2ヵ月に及ぶ不活動期間を含む約4年半、あたためた王座を獲得した。

　序盤からブライアン（31）が左ジャブをコンスタントに決めて優位に立つが、スタイバーン（43）も右を返して抵抗。ブライアンは気の抜けない展開となる。それでも中盤、右ショートをコネクトしたブライアンが引き離しにかかる。スタイバーンは顔面が腫れ出す。

　8回、両者の右が交錯し白熱。しかし冷静に試合を進めるブライアンは11回、一気にチャージ。右で効かせて連打でスタイバーンを倒す。追撃の右で元WBC王者を大の字にしたブライアンは最後、右連打でストップに持ち込んだ。ブライアンは21勝15KO無敗。スタイバーンは25勝21KO5敗1分。

　メディアの報道ではチャーには居住するドイツで米国ビザが発給されたが、就労ビザでなかったことで渡航と試合が見合わされたもようだ。WBAはチャーを休養王者にシフトし、ブライアンにチャーと対戦するよう通達したが、果たしてどうなるか。

　セミ格でラファエル・マーフィー（米）と防衛戦が組まれたWBAクルーザー級レギュラー王者ベイブ・シュメノフ（カザフスタン）は計量にも現れず出場を拒否。ブランクが長いことからWBAはルールを適用して王座をはく奪した。同時に暫定王者リヤド・メルウィ（コートジボワール＝ベルギー）を正規王者に昇格させた。ＷＢＡクルーザー級スーパー王者にはアルセン・グラムイリアン（アルメニア）が君臨している。

　ドン・キング氏が久々に開催したイベントはメインのほか、クルーザー級6回戦とバンタム級4回戦の3試合のみが行われた。