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今永虎雅がピニリに判定勝ち、日本王座前哨戦飾る 坂井優太、田中空、田中将吾勝つ

2025年3月25日 23時15分

 25日後楽園ホールのセミファイナルで行われた62.0kg契約8回戦は、日本ライト級3位の今永虎雅(大橋)が、フィリピン同級12位のロメル・ピニリ(フィリピン)に78-73、80-71、80-71の3-0判定勝利を収めた。

日本王座前哨戦をクリアした今永㊨

 長身サウスポーの今永は、パワージャブで距離を測りながら左アッパーを上下に突き刺して、強烈な左ストレートと右フックを叩きつけた。特にフックで外を、アッパーで内を突いたボディーブローは強烈で、タイミングもドンピシャリ。しかし、ピニリは顔色を変えず前に出て、切れ味鋭い左フック、右オーバーハンドを狙ってきた。

 腕で止め、ヘッドムーブでかわし、ターンでいなす。防御技術もある今永は、そのほとんどをしっかりとかわしたが、ピニリの攻撃は怖さがあった。

 緩急強弱、上下への散らし。今永は攻め手を様々変えて倒しにかかったが、ピニリのタフさは尋常でなく、地味だがディフェンス能力も優れていた。

 5回、今永の左ボディーアッパーがヒットすると同時に足が絡み、ピニリが倒れ込む。ピニリにとってはアンラッキーなノックダウンで、今永もここでいきり立たず、ペースをキープ。強打に執心しすぎて疎かになっていたジャブを再開したり、最終回には力みを抜いたロングブロー連打を見せたりと、熱くなりかけると留まって、冷静にボクシングを変える賢さも披露した。

 「倒して勝ってデカいことを言おうと思っていたので何も言えない」とニコリともせず語った今永は8勝5KO。ピニリは8勝7KO3敗1分。

 ウェルター級8回戦は日本14位、OPBF10位の田中空(大橋)がフィリピン6位のアドール・トーレスを4回1分53秒TKOに仕留め、3勝3KOとした。

 打って打って打ちまくる。165cmと小柄な田中はジャブを打たずににじり寄るいつものスタイルでショート連打から左強打。サウスポーのトーレスは左右アッパーと右フックをねじ込むが、田中は止まらず打ちまくる。トーレスはロープを背負って田中のクリーンヒットを許すものの田中の隙を窺うが、4回に入り田中が左ボディーを効かせると一気にギアを上げて右ストレートをヒット。レフェリーが止めると同時にトーレスはキャンバスに崩れ落ちた。

 これで3勝3KOとした田中は攻撃力は分厚いが、攻防のリズムなく攻め入る点が気にかかる。防御はカバーリングを主にして頭を動かさず攻め、被弾も多かった。相手を潰すボクシングにこだわりがあるのだろうが、さらに上に行くためには攻防を一体化させることが必須となるだろう。トーレスは12勝8KO7敗1分。

プロ3連勝の坂井

 54.0kg契約8回戦は坂井優太(大橋)がタニャパット・シーハナン(タイ)を初回1分51秒KO。デビューから3連続KOを飾った。

 サウスポー同士の一戦は、長身の坂井が右のフリッカージャブとステップでリズムを刻み、右フックを狙うタニャパットに触れさせず。坂井が右を突くと同時に左ボディーフックを打ちこむと、タニャパットは一瞬間を置いて崩れ落ち、テンカウントが数えられた。タニャパットは11勝4KO3敗。

 アマチュアキャリア豊富な両者による50.5kg契約8回戦は、田中将吾(大橋)が田中佳斗(帝拳)に7回1分56秒TKO勝ちした。

 ジャブ、ストレート、フック、アッパー。左右ともにバラエティーに富んだ攻めを上下に打ち分ける田中将吾。これに対し、田中佳斗も綺麗な左ジャブ、右ストレートのリターンで対抗していたが、田中将吾の押し引き自在なボクシングに、田中佳斗は被弾が増えて徐々に圧されていく。4回、田中将吾のワンツーでダメージを被った田中佳斗は、力で押し返そうと必死に連打。だが田中将吾はスッと距離を取って回り込み、田中佳斗の間合いを外す巧さも見せた。

 フックをアウトサイドに打ってガードの意識を外に向け、アッパー、ストレートを中から打つ。そして左右ボディーブローを丹念に叩きつける。田中将吾は攻撃の駆け引きも巧みで、田中佳斗はダメージを蓄積させた。7回、田中佳斗は力を振り絞って前に出たが、これをいなした田中将吾が右をヒットすると、セコンドの田中繊大トレーナーがタオルを振って棄権の意思表示。これを認めた田中浩二レフェリーが試合を止めた。田中将吾は3勝2KO。田中佳斗は2勝1敗1分。

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