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重岡優大の雪辱ならず…再戦でも上を行ったジェルサレムの技巧 WBCミニマム級戦

2025年3月30日 20時23分

 29日に続き、30日にも愛知県国際展示場((AICHI SKY EXPO)) ホールAで開催された『3150✕LUSHBOMU』。メインイベントで行われたWBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦は、チャンピオンのメルビン・ジェルサレム(フィリピン)が前王者で1位・重岡優大(ワタナベ)を119-109、116-112、118-110の3-0判定で破り、1年前のリベンジに燃える重岡を返り討ちにした。

 前の手でフェイントをかけつつ、奥の手を繰り出すタイミングを図る両者。緊迫したスタートとなった初回を終えると、ジェルサレムが重く速い右ストレートを上下に叩き込んでくる。

 重岡はこの左を両腕を上げて防ぐブロックで対応しようとするが、右の威力・圧力が思いのほか強く、この圧力に押され始めていく。この状況を打開せんと、ジェルサレムに右を先に打たせてかわし、左カウンターを狙う戦術をとるものの、これもステップバック、スウェーバックでかわされてしまった。

 それにしても、サウスポーに対するジェルサレムの強さが際立った。最大の武器である右ストレートを打ちこむ軌道をセットアップする術がこの日も冴えまくった。元来、サウスポーに対し、右へのステップで対応する選手で、重岡がアングルを変えようと右へ回ろうとしても、ポジションがまったく変わらない立ち位置、距離をキープする。そうして、右ストレートを意識させておき、重岡の入り際に右アッパーを合わせる。派手さはないものの、自身の左サイドを重岡に取らせない左リード、フックも効果的だった。

 正面からの強い左で局面を打開せざるをえなくなった重岡。ブローの迫力もキレも前戦以上の出来であることを感じさせたが、重岡が練ってきた対策のすべてにおいて、ジェルサレムに先を行かれてしまった印象だった。

 「シゲオカはいい選手。彼はまだ若いから、またチャンピオンになれるだろう」と敗者にエールを贈ったジェルサレム。これで2度目の防衛を果たした王者は、かつて王座を奪われたWBO&WBAスーパー王者オスカル・コヤソ(プエルトリコ)との再戦を希望した。図らずも同日に防衛を果たしたコヤソとの一戦は、非常に興味深い。

 ジェルサレム (31歳)は24勝12KO3敗。重岡(27歳)は9勝5KO2敗。

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