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高校教師の奥田朋子とシングルマザーの吉田実代が直接再戦 あすWBO女子S・フライ級戦

2021年6月28日 17時28分

 あす29日、後楽園ホールでゴングとなるWBO女子世界S・フライ級タイトルマッチ10回戦の計量が28日都内で行われ、王者の奥田朋子(ミツキ)が51.9キロ、挑戦者で前王者の吉田実代(三迫)が52.0キロでリミットの52.1キロをクリアした。両選手ともにPCR検査も合格した。

半年ぶりに対戦する王者の奥田(左)と前王者の吉田

 両者は昨年12月に対戦し、挑戦者だった奥田が初回にダウンを奪ってリードを奪うと、偶然のバッティングで奥田が負傷して6回途中で試合は終了。アウトボクシングを機能させた奥田が59-54×2、57-56で勝利して王座奪取に成功した。

 チャンピオンとして初防衛戦を迎える奥田(38=7勝1KO2敗2分)は「いつも同じなんですけど、リングは自分を表現させてもらう舞台だと思っているので、やるか、やられるかのところで自分を表現させてもらいます」と落ち着いたコメント。もちろん返り討ちにする気は満々で、「新しい小技」も用意してきたという。

 教師として働く勤務先の高校では、ボクシングをしていることを特に話していないが、「先生もうすぐ試合だね」と声をかけてくれる生徒もいるという。「コソッと」休みをもらって防衛戦を行う奥田は「サラッと」ベルトを守って日常の生活に戻りたいところだろう。

 一方、三迫ジムに移籍して初戦でV2に失敗した吉田(33=14勝2敗)はフライ級に下げる選択肢もあったと言いながら、「チャンスがあるのにやらないファイターはいない。リベンジしたい」とS・フライ級残留を決意。加藤健太トレーナーから椎野大輝トレーナーに担当を変えて気持ちを新たにし、加藤トレーナーの助言もあおぎながら雪辱に向けた準備を進めてきた。

 奥田が高校教師なら闘うシングルマザーが吉田のキャッチフレーズ。これまでは6歳になった娘の実衣菜ちゃんを鹿児島の実家に1ヶ月程度預けることが多かったが、今回は母親が一度預かった娘を東京に連れて出てきてくれたため、2週間は娘と一緒に過ごせたという。前回は初めて負ける姿を見せてしまったため、「胸を張ってもう一度娘に喜んでほしい」と心の底から思っている。

 いろいろな思いを秘めながら、気持ちばかり先走ってしまっては前回の二の舞になることは分っている。吉田は「今まではチャンピオンはこういう試合をしないといけないという気負いがすごくあった。今回はベストを尽くしたい」と宣言。ブレない心でベルトを取り戻すつもりだ。写真=三迫ジム提供

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