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パッキャオがウェルター級にこだわる理由 デラホーヤ戦から13年

2021年8月20日 15時19分

 ミスマッチと言われたオスカー・デラホーヤ戦。思えばこれがパッキャオのウェルター級第1戦だった。ご存じの通り結果は、小が大を制しパッキャオがマンガのように勝つのだが、あれから12年以上ここで戦っている。階級の壁を超えてからもパッキャオの強さを支えてきたものとは――。《ボクシングビート9月号より》

パッキャオ(左)とデラホーヤは2008年12月に対戦した

 デビッド・ディアスを倒してライト級王者に就いたパッキャオとオスカー・デラホーヤの試合が決まった時、「無謀な行為だ」「勝てるわけがない」というムードがあった。その後の彼のキャリアからすれば、それほどの大事件でもなかった気さえするのだが、L・フライ級からキャリアをスタートしたパッキャオが天下のデラホーヤに挑む構図はまさに「ミスマッチ」と言われても仕方なかったのだ。

 全階級きっての人気クラスで強豪が集結するウェルター級にパッキャオが固執するのはなぜか?

 たとえば、彼と2015年に戦ったフロイド・メイウェザーは現在引退した身とはいえ、ユーチューバーボクサーとの対戦にうつつを抜かしている。パッキャオはメイウェザーに勝てなかったが、“マネー”が対戦を避けたキース・サーマンと戦って勝ち、ウェルター級最強の評価も得るエロール・スペンスに挑もうとしている。(注=スペンスのケガで中止に。パッキャオはヨルデニス・ウガスと対戦する)

 パッキャオの闘争心の根底に流れているものはチャレンジ精神にほかならない。特にウェルター級周辺に腰を落ち着けてからは、その時々もっともスポットライトを浴びるボクサーとグローブを交えてきた。

「注目ボクサー=最強ボクサーではない」と指摘する関係者もいる。しかしビッグマッチ成立にはプロモーター間の壁が立ちはだかるし、敗戦後の再起は相手の力量を落とすことも必要だろう。デラホーヤ戦以降、対戦者のすべてが世界王者経験者という事実はサプライズ以外の何物でもない。

 09年11月のミゲル・コット戦からルーカス・マティセー戦(18年)まで長くストップ勝ちが途絶えてしまうパッキャオにはマイナスの要素が存在したのだろうか。メイウェザー戦前のクリス・アルジェリ戦までをチェックしてみると、宿敵フアン・マルケスとの第3戦、第4戦、ティモシー・ブラッドリー第1戦を除き、いずれもフルマークに近い勝利を収めている。

 これはライト級までファンを魅了したアタッキングスタイルに加え、ポイント奪取のスキルに磨きをかけた成果。コンビネーションブローの上達がそれを後押しした。長年にわたりタッグを組むフレディ・ローチ・トレーナーとの入念なミット打ちの賜物ではないだろうか。しかもローチはパッキャオの野性味あふれる攻撃の魅力を消さなかったことが特筆される。……

 デラホーヤ戦以来ハットン戦(SL級)挟み18戦して14勝3KO4敗。ウェルター級体重のパックマンの強さに迫る。記事全文は発売中のボクシングビート9月号に掲載しています。
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