2018年7月10日火曜日

振り返る高校同窓対決 勝っても涙、負けても涙

 9日後楽園ホールの「SLUGFEST.5」のメインイベントは、千葉の名門・習志野高のOB対決となり、越川孝紀(セレス)が7年先輩の坂本大輔(角海老宝石)に4回終了TKO勝ち。この日の興行にはミドル級ランカーの福本祥馬(角海老宝石)、4回戦の谷田光希も含め習志野OBが4人出場する異色の興行となったが、同窓対決となると決して多くはない。過去にさかのぼって調べてみると─。

 9日の試合は坂本、越川の両応援団がラウンド間のインターバルで校歌を歌うなど、通常とは異なった盛り上がりを見せ、両選手ともその期待にこたえるかのように激しい打撃戦を展開。結果は越川が引退試合を銘打った大先輩に引導を渡す形で勝利し、試合後はともに抱き合って互いの健闘をたたえ合った。

 習志野高はいわずと知れたアマチュアの名門。この日は、プロで世界王者となった粟生隆寛(帝拳)、木村悠(引退)、現役世界王者の岩佐亮佑(セレス)がそろって試合に駆け付けた。ほかにも複数の選手がプロのリングでも活躍しているのは周知の事実だ。

南京都対決は15年の大森vs向井

 現在プロボクサーを出身高校別に見ると、南京都高(現・京都廣学館)の活躍が群を抜いている。WBA世界ミドル級王者の村田諒太(帝拳)を筆頭に、元世界王者の久保隼(真正)、世界挑戦経験のある大森将平(ウォズ)と向井寛史(六島)ら多士済々だ。先ごろ引退したV12王者の山中慎介さんも同校出身である。

 習志野対決は初だったが、南京都対決は15年9月の日本バンタム級タイトルマッチが記憶に新しい。これは王者の大森が先輩の向井に6回TO勝ちで初防衛に成功した。

 同窓対決でかつ同級生対決となると、中川健太(レイS)と船井龍一(ワタナベ)の“親友対決”が上げられよう。2人は都立港工高の同級生で、ボクシング部のなかった同校に2人でボクシング部を作った親友。プロとなった2人は17年3月の日本タイトルマッチで拳をまじえ、船井が中川から日本S・フライ級タイトルを奪い、大きな感動を呼んだ。

 大学同窓対決となると、東農大出身の清水智信と五十嵐俊幸が08年、日本フライ級タイトルマッチで対戦している。このときは王者の清水が暫定王者の五十嵐に判定勝ち。2学年先輩の貫禄を見せつけた。

新人王では中学部同窓対決も

 さらに中学同窓対決というのもある。08年の東日本新人王決勝で対戦した、川崎新田ジムの古橋岳也と片桐秋彦は川崎市立稲田井中学の野球部で1学年違い。注目を集めた一戦は、後輩の古橋が勝ち、涙を流す古橋の肩を片桐が抱く姿が印象的だった。

 OB対決は決して多くはなく、その理由はそもそも選手数がそれほど多くはないこと、同じ学校出身だと学年が違っても交流が盛んなケースが多く、当人同士があまり対戦を望まないことが理由にありそうだ。

 そうした中でも対戦が実現する例は稀少で面白い。9日の試合を終えた坂本は「越川くんが対戦を受けてくれてよかった」と満足顔。バトンを渡された形の越川は「チャンピオンになります」と坂本に力強く答えた。同窓対決はなかなか味わい深い。