IBF世界バンタム級タイトルマッチ（15日・大阪市住吉スポーツセンター）でチャンピオン、西田凌佑（28＝六島）に挑戦する同級14位、アヌチャイ・ドーンスア（28＝タイ）が12日、大阪市の六島ジムで練習を公開した。すでにリミット（53・５キロ）を切っているとあって、前日はステーキやラーメンを食べたそうで、「初めての世界タイトルの機会が与えられてうれしい。得意の右ストレートで倒しにいきたい」と冷静に語った。

　元WBC世界フライ級王者のチャチャイ・サーサクン・チーフトレーナー（54）らとジムに現れたアヌチャイはすぐに着替えて、シャドー、ミット打ち、サンドバッグ打ちを各１ラウンドこなしただけで、早々と引き上げた。

　アヌチャイは身長163センチ、10歳からムエタイを100戦近く戦い、３年前から国際式に転向し、16勝７ＫＯ無敗。

　指導するチャチャイ氏は勇利アルバチャコフ（協栄）と２度対戦。暫定王者だった1997年11月に判定勝ちしてWBC世界フライ級正規王座に就き、98年12月マニー・パッキアオ（フィリピン）に敗れるまで４度防衛した。「西田はサウスポーで自分と同じでテクニックでいなすタイプだ。接近戦は大丈夫なので、勝つためにアヌチャイに打ち合いをさせることを考えている。いろいろ作戦は練っている」とチャチャイ氏は語った。