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シリモンコン、塀の外でWBCアジア・コンチ王座獲得

2012年11月14日 23時50分

元WBC世界バンタム、S・フェザー級チャンピオンのシリモンコン・シンワンチャー(35)が11月14日タイ・ランシットで行われた空位のWBCアジア・コンチネンタル・ウェルター級王座決定戦を制して、久々のベルトを獲得した。
 2009年シリモンコンは麻薬所持の罪で懲役20年の刑を言い渡されて現在塀の中。しかし特例として試合が認められており、これまでも何度か収容施設を出てファイトしている。
 デニス・パダウ(比)相手の試合は激しい打ち合い。明らかにベストを越えるウェルターウエイトは脚もなければ動きの切れもない。普段、施設内で若い犯罪者の更正手段としてボクシングを教えており、「自分の練習はあまりできない。ウエイトも今回は8キロ落としてスタミナも足りなかった」とシリモンコン。
圧力を掛け、左フックを叩きつけ右につなげるものの、パダウのアッパーを受けてたじろぐ場面も。それでも攻撃力にまさる元2階級世界王者は攻撃の手を緩めず、5回コーナーに詰めて乱打してダウンを奪い、フィニッシュした。
 囚人ボクサーであるシリモンコン、これまでも何度か試合で外に出ているが、収容されている施設を出たのはこの日の午後1時で「6時には戻らなければいけないんだ。でもやっぱり外はいいよ、メチャクチャいい! 少し見ないうちに街はどんどん変っているし、道なんか忘れちゃっているよ」と苦笑しつつ大はしゃぎ。
 青空の下で勝利を収めた後は、テレビのインタビューに答え、家族と写真に収まり、ひっきりなしのファンとの記念撮影にも快く応じて束の間の塀の外を楽しみ、「来年には出所できると思う。出たらしっかり練習して、S・ライトで戦っていきたい」とシリモンコン。69勝41KO2敗。
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