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A-SIGN石井 & DANGAN古澤対談 ビート12月号

ボクシングのネット配信を語る 
A-SIGN石井 & DANGAN古澤対談 ビート12月号

2020年11月16日 17時49分

 日本ボクシング界も近年はインターネットで試合や選手関連の動画を楽しめるようになっている。その先鞭をつけた石井一太郎(A-SIGN)、古澤将太(DANGAN)の両氏に話を聞く。=ボクシング・ビート12月号より=

DANGAN古澤代表(左)と横浜光の石井会長

5年前は「試合動画を買う」という意識すらなかった

――レイズとエー・サインがネットで映像配信をスタートしたのは、くしくも同じ2016年。タイミングが合ったのは偶然としても、きっかけはどうでしたか。危機感のようなものがあった?

石井 いや、当時は映像配信なんてなかったじゃないですか。全国にボクシングファンはいるはずだし、試合の映像を売れば売れるだろうという単純な発想ですよ。

古澤 ほとんど会場の人しか見れないのはもったいないと感じていたんですが、うちも自分の興行の映像すらしっかり保有していませんでした。で、ある人が新日本プロレスの動画配信のサービスを行っている会社を紹介してくれたんですが、新日のやり方は月額で過去の動画をアーカイブで見放題にする仕組みでした。同様にやれば需要もあるし映像も残るし、いいのではないかと思ったのが最初ですかね。

――石井さんは立ち上げ当時から「4回戦のストーリーも見せたい」と仰っていましたね。

石井 それをつなげていって、試合動画を売るつもりだったんです。(試合映像の有料配信を撤退するまで)2年ぐらいですかね。1興行500円なら買うだろうと思ったんですが、ひどい興行は購入者が5人でしたよ。

古澤 そういう状況、分かります。

石井 コストは最も安くしても7万円ちょっとですかね。

古澤 ええ。興行経費以外の撮影等、配信のためのコストはそれぐらいですね。編集は別にして。

石井 水道橋に編集用の事務所も借りていました。マジ地獄ですよ。途中からは水道橋に来た際のトイレになってました。

古澤 ハハハ。うちも最初は赤字スタートです。月一のライブ配信とアーカイブでやっていたんですよ。当時は興行数が多かったので月に一度はタイトルマッチが入るだろうと。ただライブ配信はコストがドンと上がるんですよ。解説、アナウンサーの方も入れたスタイルでしたし。

石井 プラットフォームのランニングコストも毎月かかりますから。それに事務所の家賃払って、カメラマン使って……月に40万円近く飛んでいってました。なのに申し込みが5人です。「撤収!」と。

石井 まあ結局、ボクシング界にお客さんのデータがまったくないんですよ。チケットが何枚売れた、ぐらいのものでしょう。あてずっぽに近かった。

古澤 ボクモバの数字から、これぐらいは……と想像したりしましたが、そんなに甘くはないですね。

石井 そもそも5年前なんて動画を買うという意識がないですよ。

古澤 そうですね。習慣がない。

石井 今でも難しいと思いますよ。サブスク(サブスクリプション=一定の利用料で一定期間サービスを提供する方式)のほうが利用者が抜けにくいとは聞きますけどね。

古澤 そうですね、でもやはり抜けますけどねえ。結局、応援する選手の試合を観るために申し込めば、1ヵ月の契約ですむわけじゃないですか。一度観ればそれでもういいと。だから、いかにつなぎとめておくかが重要になります。……

 日本のボクシング界のネット配信をとりまく現況、そして今後への期待と取り組みについて語りまくりまる――対談記事全文は発売中のボクシング・ビート12月号に掲載しています。アマゾンでもご購入いただけます。https://amzn.to/36m2jpn

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