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ボクシング協会「懸念はあるが大きな一歩刻めた」

袴田巌さん事件 最高裁が高裁に差し戻し 
ボクシング協会「懸念はあるが大きな一歩刻めた」

2020年12月23日 16時17分

 元プロボクサーの死刑囚、袴田巌さんの事件で、最高裁は裁判のやり直し(再審)を認めなかった東京高裁の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をした。

袴田巌さん=2018年2月撮影

 袴田さんは1966年に強盗殺人放火罪などで逮捕され、裁判で無罪を主張したものの死刑判決を受けた。2014年に静岡地裁が再審開始決定を下して袴田さんは48年ぶりに釈放されたが、東京高裁は弁護側の示したDNA鑑定の信用性が乏しいとして再審を認めなかった。

 今回の最高裁の決定は、高裁の判断を不服とした袴田さん側からの特別抗告を受けてのもので、高裁の決定を差し戻したということは袴田さんに有利な結果と言える。

 日本プロボクシング協会の事務局長で、袴田支援委員会の新田渉世会長は「ボクシング界としては心強い決定だと思うが、同時に裁判が少し長引いてしまう懸念がある」とコメント。84歳と高齢の袴田さんの健康を思いやった。

 各種報道によると、最高裁はDNA鑑定の信用性は認めなかったものの、犯行着衣についた血痕の色の変化について「審理が尽くされていない」と指摘。検察側が示した証拠写真は犯行着衣に血痕が赤くついているが、弁護側は実験によって1年間味噌につかっていた衣類(犯行着衣は犯行から1年後に味噌タンクの中から見つかった)は味噌がしみこんで真っ黒に近い状態になると再現実験をして主張している。

 また、今回の裁判官5人による決定で、意見は3対2で割れたという。少数となった2人はDNA鑑定の信用性を認め、再審を認めるべきだという意見。より袴田さんの主張に沿った意見だ。今後、高裁がどのような審理・判断をするのかが注目される。

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