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訃報 元アマチュアのドン 山根明氏死去 前日本ボクシング連盟会長

2024年1月31日 19時55分

 前日本ボクシング連盟前会長の山根明氏=写真=が31日、大阪市内の病院で死去した。84歳。昨年12月に末期がんと分かり、この日午前3時35分に息を引き取った。死因は腎盂がんだったという。

 山根氏は大阪府堺市出身。昭和30年代にプロのリングに上がったこともあるが、80年代には奈良県ボクシング連盟の理事長としてアマチュアボクシング不毛の地といわれた同県の選手強化に力を注いだ。その結果、全日本選手権10連覇の辻本和正(王寺工高―日大)をはじめ名選手を多く輩出。95年にAIBA(国際アマチュアボクシング連盟=現IBA)の理事に選出され、約8年間務める。この間日本選手を引率して国際大会にも数多く参加した。

 2011年に日本ボクシング連盟会長となり、12年のロンドン五輪ではミドル級の村田諒太が金メダル、バンタム級の清水聡が銅メダルと、アマチュアボクシング史上初の五輪複数メダル獲得の快挙に。

 しかし18年に高体連ボクシング専門部の関係者らが中心となり告発した“山根騒動”が起き、一時はテレビのワイドショーもこぞって取り上げ社会問題化。“奈良判定”はじめいくつもの疑惑が取りざたされた。

 これに対し山根氏は助成金の不規則配分(1人の選手に支給される金を三等分して3人に配分した)、過去に反社会勢力との付き合いがあったことを認め、辞職した。その後連盟が第三者委員会に委嘱して調査が行われたが、「裁判を起こすだけの材料がなかった」(関係者)として法的手段は取られなかった。内田貞信氏が新会長に就任した日本連盟は翌19年に山根氏を除名処分にしている。

 ボクシング界を離れた後の山根氏は、テレビのバラエティショーに出演したり、自伝を出版したり。波乱の人生の最終章は穏やかな日々を送っていたようだ。 

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