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ラスベガスの井上尚弥、カルデナスを8回TKOで撃退 2回にはびっくりのダウン喫す

2025年5月5日 14時16分

 ダウン応酬のエキサイティングな試合を“モンスター”が圧倒して制す──。4日(日本時間5日)、米・ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われた世界4団体S・バンタム級タイトルマッチ12回戦は、チャンピオンの井上尚弥(大橋)がWBA1位のラモン・カルデナス(米)を8回45秒、レフェリーストップによるTKOで下し、WBOとWBC王座5度目、WBAとIBF王座4度目の防衛に成功。世界戦11連続KO勝利を収めるとともに、世界戦23KO勝利はジョー・ルイス(米=世界ヘビー級王者)の「22」を越える歴代最多記録更新となった。PHOTOS/MIKEY WILLIAMS(TOP RANK)

カルデナスを倒し返した井上

 昨年5月の東京ドーム決戦同様、あっと驚くシーンが飛び出したのは2回だ。猛攻を仕掛けた井上の打ち終わりをカルデナスが左フックで捕らえると、井上が尻もちを着くダウン。けれども、ラウンド終了間際の出来事だったことも幸いだが、その後、ダメージを感じさせない井上のタフネスぶりも驚異的だった。

 左ジャブを得意とする両者だが、井上のタイミングよいストロング・ジャブを警戒するカルデナスは、差し合いを敢えて放棄。ハイガードと堅いブロッキングで井上の強打をしっかりと受け止めて、井上の右打ち終わりにシャープな左フックを、左に対しては右のクロスを狙っていた。井上はこれらをクイックな顔面の反応でかわし、時折思いきり仕掛けてくるカルデナスの右ストレートにはガードで対応。4回からは強打のコンビネーションを出し始める。4発以上の連打中に入れる右アッパーは特に、カルデナスにとって脅威だったろう。

 しかし、メキシコ系アメリカ人のカルデナスは勇敢だった。会場から沸き起こる「メヒコ」コールに後押しされるかのように、決して防戦一方にならず、井上の強打を浴びると笑顔を浮かべながら必死に左フック、右オーバーハンドを叩きつける。井上の左ボディーブローを食ってダメージを感じさせたものの、その都度ロープ際で体を入れ換えて反撃する姿勢も見せた。

 だが6回、右と右の同時打ちを井上が制すと、これがカウンターとなってカルデナスが後退。井上が一気に仕留めようと仕掛けた猛連打を堪えたカルデナスだが、続く7回、井上が右ショートのトリプルを見舞うと、ついにキャンバスに腰から落ちた。

 顔面もボディーも効いているカルデナスは、それでも決して諦めず、果敢に逆転を狙っていたが8回、井上が右アッパーを起点とした連打で襲いかかると、トーマス・テイラー主審がカルデナスを抱えた。

ネリ戦に続きカウントを聞く井上 

「僕が殴り合いを好きだということはわかっていただけたと思います。すごく楽しかった」と興奮気味に会場に呼びかけた井上は、「(2回のダウンは)自分でも驚いたけれど、その後しっかりと組み立て直せた」と振り返り、「次は9月にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン=元WBA&IBF王者)と日本で戦いますが、みなさんが望むなら、またアメリカにも来たいです」と宣言。会場からは大きな「イノウエ」コールが巻き起こった。30勝27KO。

 井上に鼻血を流させ、ダウンまで奪う大健闘を見せたカルデナスは、「イノウエはタフでパワーがあって、6、7、8発と連打してくるのが凄かった」と脱帽の様子。しかし、「この試合で自分の実力も証明できたと思う」と傷だらけの顔をしっかりと上げて胸を張った。26勝14KO2敗。

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