April
29
Monday

ボクシングニュース | ボクシングビート編集部制作

share

21°C Clouds
Tokyo

Boxing News(ボクシングニュース)

Home > Match Information > ポベトキンに薬物反応、ワイルダー戦中止の危機

ポベトキンに薬物反応、ワイルダー戦中止の危機

2016年5月14日 11時10分

 21日モスクワで予定されるWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、王者デオンタイ・ワイルダー(米)vs挑戦者1位アレクサンデル・ポベトキン(ロシア)が中止される可能性が出てきた。ポベトキンから試合前にWBCが要求した薬物検査で使用禁止の物質が見つかったのが理由。13日(日本時間14日)、WBCが通達した。

 米国メディアの報道によると、WBCは今回VADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)に検査を依頼。先月27日VADAが受け取ったサンプルに違反物質が含まれていたとされる。メルドニウムという物質で血液の流れを促進する効果があるいう。もっともこの薬物は東ヨーロッパのスポーツ選手が通常使用し、今年1月1日付でVADAが違反薬物に指定した。ポベトキン陣営は、ポベトキンが昨年11月のマテウシュ・ワフ(ポーランド)戦でこの物質を使用したことを認めており、当時は違反していなかったと語っている。

 だが、検査は今年に入ってからのものであり、ワイルダーのルウ・ディベラ・プロモーターは「恐ろしいシチュエーションになった。いろいろ考慮しなければならないが、アスリートの安全を優先すべきだ」と発言。予断を許さない状況になっている。

 王者ワイルダーは4月下旬、イギリスへ移動。同地のシェフィールドで最終調整中。15日にモスクワ入りする予定だが、この件で試合が成立するか分からなくなった。WBCのマウリシオ・スライマン会長はポベトキンへ“Bサンプル”の提出を要請。その結果により判断したいと現地メディア(メキシコ)に話している。

 ワイルダーvsポベトキンは、入札によりロシアのプロモーター、ワールド・オブ・ボクシングが715万ドル(約7億8650万円)で興行権を落札。保証額はこれが4度目の防衛戦となるワイルダーが約450万ドル(約4億9500万円)、指名挑戦者ポベトキンが約193万ドル(約2億1230万円)となっていた。

 また、WBAのホームページによると、薬物検査で陽性反応の出ていたWBAヘビー級正規王者となったルーカス・ブランン(豪)が王座をはく奪され、6か月の出場停止処分を受けることになった。ブラウンは3月にルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)に番狂わせのTKO勝ちで王座を獲得。しかし試合後のドーピング検査で筋力増強剤クレンブテロールが検出された。ブラウン陣営は再検査を求めたが、予備検体の検査結果でも陽性反応が示された。

 ESPNによると、ブラウンvsチャガエフは無効試合となり、タイトルはチャガエフに戻される。チャガエフはブラウン戦後、引退を表明しており、王座の行方は不透明だ。WBAはスーパー王者にタイソン・フューリー(英)が君臨しており、7月9日に前統一王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)と再戦を行うことが決定している。

Related article
関連記事