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“戦うシングルマザー”吉田実代 高校教師の奥田朋子に雪辱で世界王者返り咲き

2021年6月29日 20時28分

 WBO女子世界S・フライ級タイトルマッチ10回戦が29日、後楽園ホールで行われ、前王者で挑戦者の吉田実代(三迫)がチャンピオンの奥田朋子(ミツキ)に2-1判定勝ち。昨年12月に奪われた王座を取り戻した。奥田は初防衛に失敗した。スコアは96-94×2で吉田、残りが96-94で奥田だった。

吉田(右)は後半、右スイングが効果的だった

 昨年12月、大阪での対戦は奥田が6回負傷判定勝ちで王座交代。攻守入れ替えてのダイレクトリマッチ。長身でリーチのある奥田が左手を前に出し、ジャブとカウンターの右、細かい連打で吉田を迎え撃った。

 両者ともに決め手を欠きながら、仕掛けが遅い吉田は4回に前に出て左右のパンチを打ち込んで会場を盛り上げる。5回は奥田がロングレンジから長い右、6回は吉田が踏み込んで右を決め、互いに持ち味を出して譲らない。しかし徐々に吉田のプレスが効いてくる。奥田は距離が取れなくなり、8回は吉田がグイグイと奥田を押し込んで右を決めた。

 9、10回は激しい打ち合いに。奥田もよく手を出して細かいパンチを当てていったが、吉田が前に出る姿勢と見栄えのいい右フックでやや優勢か。難しい採点で、両者ともに息をのんで耳にした採点は2-1で吉田の勝利。リベンジ成功の吉田は涙を流して喜んだ。33歳の吉田は15勝2敗。38歳の奥田は7勝1KO3敗2分。

リベンジ成功で感極まる吉田

吉田実代の話「うれしいです。前半の見栄えがどうだったのかというのはあったけど、パンチは見えていたし、手応えのあるパンチもあったし、向こうが苦しくてクリンチをすることもあったので。

前回の試合に負けて進退を考えるほど落ち込んで自信も失った。三迫に入って仲間もできて、みんなが勝ったり負けたりしながらがんばっている姿を見て奮い立つものがあった。前回は移籍して時間がなくてバタバタしていて今回はそこを乗り越えてチャンピオンに返り咲けたので財産になった」

椎野トレーナーの話「(練習の成果が出たのは)右クロス、かぶせるパンチは練習していたのでそれが当たったくらい。でもバッティングはなかったし、冷静に突っ込みすぎずに自分でブレーキをかけることができたのでダーティーな試合にはならなかった。最後まで攻めきったのは良かった。

バランスと打ち方を修正して、それができていれば中盤から終盤にストップすることもできたんじゃないかと思う。練習ではだいぶ頭から突っ込まずにできるようになっている。組んだのは初めての試合なので、これからですね」

村地(右)は終始冷静だった

◇バンタム級8回戦
村地翼(駿河男児)[3-0(80-72×2、79-73)]阿知和賢(ワタナベ)
 日本バンタム級9位の村地が初回からプレスをかけた。ジャブ、ボディ打ち、2回からはアッパーを巧に打ち込んで日本S・フライ級17位の阿知和を攻め立てる。ベテランの阿知和も3回に右を決め、持ち味である変則的な動きで村地に対抗した。

 阿知波が賢明に前に出て、村地がそれをさばきながらコツコツと多彩なパンチを打ち込む展開。村地は最後まで阿知和にペースを乱されず、冷静にファイトして完勝した。村地は7勝3KO1敗。最後まで奮闘した阿知波は12勝4KO16敗6分。

出田(右)は3回ストップ勝ち

◇ウェルター級8回戦
出田裕一(三迫)[TKO3回2分15秒]鈴木基伸(角海老宝石)
 昨年12月、元日本王者の矢田良太(グリーンツダ)を下して日本ランキングに復帰したウェルター級6位の出田が登場。37歳定年制によりこの試合に勝たないとライセンスを執行する37歳の鈴木を迎えた。

 鈴木はジャブから右を狙ったが、出田のプレスが効くまでに時間はかからなかった。出田は前に出ながら、ジャブとボディ攻めて鈴木を痛めつけ、2回に左ボディでダウンを奪う。鈴木はここから踏ん張ったが、3回にストップとなった。連勝の出田は15勝7KO15敗1分。ラストファイトを飾れなかった鈴木は5勝2KO7敗2分。客席から大きな拍手が送られた。

安藤は4回に右カウンターを決めた

◇48.5キロ8回戦
安藤教祐(KG大和)[TKO4回1分13秒]長谷部守里(三迫)
 日本ミニマム級13位の長谷部と安藤はスタートからジャブの差し合い。安藤がやや差し勝っている印象だ。長谷部は3回、プレスを強めていくが、4回に安藤の右ストレートがカウンターできれいに炸裂すると、長谷部が背中からバッタリと落下。ノーカウントでストップとなった。安藤は9勝4KO3敗。長谷部は8勝2KO6敗。

◇48.0キロ4回戦
福田隆斗(三迫)[TKO1回15秒]小山拓海(伴流)

◇S・フェザー級4回戦
副田拓真(三迫)[2-1(38-37×2、37-38)]舛井海斗(協栄新宿)

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