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後楽園パッキャオ、100万円バレロ、ラスベガス石田

衝撃の1ラウンド特集 驚きの「番外編」 
後楽園パッキャオ、100万円バレロ、ラスベガス石田

2020年6月14日 10時30分

 衝撃の1ラウンドKO特集の最終回は世界タイトルマッチ以外の「番外編」。後楽園ホールに登場したマニー・パッキャオ、ラスベガスでアップセットを演じた石田順裕ら、記憶に残る1ラウンドKO劇をお届けする。

このときパッキャオは19歳だった

 1998年5月18日、後楽園ホールでOPBFフライ級王者のマニー・パッキャオ(比)がノンタイトル10回戦で寺尾新と対戦した。パッキャオはラウンド中盤、左ストレートを効かせると、ボディからの連打で寺尾をキャンバスに転がす。立ち上がった寺尾に猛攻を仕掛け、2度のダウンを追加して2分59秒TKO勝ちした。

 パッキャオはこの年の12月、チャチャイ・ダッチボーイジム(タイ)を下してWBCフライ級王座を獲得し、のちに6階級制覇を達成して世界的なスーパースターとなった。パッキャオ株の急上昇に伴い、後年になってあらためてスポットライトを浴びた一戦である。

バレロの攻撃力はすさまじかった

 15試合連続1ラウンドKOをマークしていたエドゥイン・バレロが05年9月25日、横浜アリーナで挑んだ試合はユニークだった。「バレロに相手に1ラウンドもったら100万円」という異例の条件で対戦相手が公募され、手を挙げた勇者が坂東ヒーローだった。

 スタートからKO狙いのバレロは開始15秒で左ストレートを決めて坂東を倒す。ここから立ち上がった坂東は必死に応戦してガッツを見せたが、最後はバレロの強烈な右フックで坂東が前のめりにダイブ。即ストップのTKOタイムは1分56秒だった。

 圧倒的なプレッシャーを見せつけたバレロは「坂東はよかった。勇敢で打たれ強かった」と敗者を称えた。100万円ゲットならずの坂東は「動きが読まれていた。逃げるつもりはなかった。引いたらやられると思っていたから」と悔しそうだった。バレロはこのあと1ラウンドKO勝利記録を18まで伸ばした。

海外で存在感を示した石田

 2011年4月9日、ラスベガスでアップセットの初回KO勝ちを演じたのが石田順裕だった。WBA・S・ウェルター級暫定王座を失った石田は海外進出を新たな目標に据え、ラスベガスのMGMグランドガーデンアリーナでジェームス・カークランド戦を迎えたのである。

 カークランドは27勝24KO無敗、WBOミドル級4位につけるホープ。完全にBサイドの石田だったが、開始20秒に左を合わせてダウン。立ち上がったカークランドを攻める石田は2度目のダウンを奪うと、最後は右ストレートでホープを沈めてアップセット完遂。1分52秒TKO勝ちだった。

これが出世試合となったカークランド戦

 2週間前に試合が決まったという石田は「日本の重量級でもここまでやれることを示した」と胸を張った。この試合はアメリカの雑誌「リング」と「スポーツイラストレイテッド」のアップセット・オブ・ザ・イヤーを受賞した。石田はことあとミドル級で世界タイトルマッチの舞台に2度立ち、世界で存在感を示した。

現役の1ラウンドKO男、日本王者の阿久井

 最後に近年の1ラウンドKO男を紹介しておこう。それは昨年10月、日本フライ級王座に就いたユーリ阿久井政悟(倉敷守安)だ。岡山を主戦場とする24歳はここまで14勝10KO2敗1分。14勝のうち9勝が初回KOというのだからすごい。日本タイトルを決めた試合も初回KOの速攻だった。

 阿久井本人は「たまたまです」と謙遜しているが、相手の動きをいち早く見抜いて“ロックオン”する能力は天性のものだろう。いつの日か世界タイトルマッチで“衝撃の1ラウンドKO”を見せてほしい。

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