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井岡一翔がJBCの直接謝罪を受け入れ ドーピング違反騒動 永田JBC理事長は進退伺い

2021年7月12日 17時27分

 WBO世界S・フライ級チャンピオンの井岡一翔(Ambition=15日から志成)と日本ボクシングコミッション(JBC)の永田有平理事長が12日、東京ドームホテルで記者会見を開き、永田理事長が一連のドーピング違反疑惑騒動について井岡に謝罪。井岡がこれを受け入れて騒動の幕引きを図った。

会見する井岡(左)と永田理事長

 会見は永田理事長が井岡と井岡の家族にあてた謝罪文を井岡に手渡すところから始まった。永田理事長によると、謝罪文は昨年大みそかに行われた世界タイトルマッチのドーピング検査がずさんだったこと、JBCから警察への情報提供によって井岡の自宅に家宅捜索が入ったこと、JBCからの情報漏洩により週刊誌に事実に反する記事が掲載されてしまったことなどを謝罪。今後、しっかりしたドーピング検査体制の確立や、情報漏洩などに関し組織のガナバンスを強化することを記したという。

 これを受けて井岡が読み上げた声明は以下の通り。

「本日JBCからドーピング違反疑惑の一連の騒動に対して直接謝罪を受けました。直接謝罪を受けることは私が最も重要視して求めてきました。謝罪を受けたことですっきり解決したという気分ではありませんが、一つのけじめとして受け入れたいと思います。一連の騒動によって私が味わった苦悩はこれまでさまざまな場所で語ってきました。何度も言いましたが、私のような目にあうボクサーが二度と現れないようにしてほしいです。このようなつらい思いをするのは私だけで十分です。

 JBCは私が指摘した誤りをすべて認めて採用してくれました。このような謝罪を受け入れるために努力を重ねてくれた関係者の方々に感謝申し上げます。これで一つのけじめがついたので、スポーツマンらしく今後は前だけを向いて防衛戦に、勝つことへの努力、トレーニングに集中していきたいです。ファンのみなさまにはぜひ私の次の防衛戦に期待してもらいたいです」

 大麻使用疑惑と報じられ、警察の家宅捜索まで受けた井岡としては「僕と家族が受けた苦しみは謝ってすむ問題ではない。でも、それをいつまでも言い続けることはできないし、現役選手としての生活もある。その狭間の中で謝罪を受け入れて前に進むことにした」と今回の記者会見を受け入れた理由を説明した

 井岡はこれまでにJBCの体制一新も求めてきた。これについて永田理事長は自身と浦谷信彰理事が6月中にコミッショナーあてに進退伺いを出したと説明。既に外部の弁護士3人による情報漏洩委員会が設置され、情報漏洩に関する調査を始めている。委員会の答申を受けて開かれる理事会で永田理事長らの処分が決まるという。答申は8月末ごろに出る見込みだという。

 辞任はしないのかと問われた永田理事長は「私にこういう状況を招いた管理責任はある」とした上で、「勝手なことはできない。理事会でしっかり、私の管理責任を審議してもらいたい」と説明した。

 今後のドーピング検査については、いままでの簡易検査ではなく、既に今年に入って行われた女子の世界タイトルマッチで、検体の冷凍保存や簡易ではない検査方法を取り入れるなど新しいドーピング検査を実施していることも説明された。ただし日本アンチドーピング機構(JADA)レベルの検査をするには職員の研修などが必要になり、新検査体制を確立できるのは早くて年内との見通しを示した。

 また、永田理事長は問題となった昨年大みそかの世界タイトルマッチで、井岡と対戦した田中恒成(畑中)陣営のもとにも直接謝罪に出かけたものの、田中陣営から十分な理解が得られなかったことも記者会見で明らかになった。永田理事長は今後も理解を得るために努力していく姿勢を示した。

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