8日（日本時間9日）ロンドンのO2アリーナで開催されるクリス・ユーバンクJrとコナー・ベンの2世対決が揺れている。BBBofC（英国ボクシング管理委員会）はベンがドーピング違検査で違反薬物が検出されたとして試合を禁ずると発表。これに対しプロモーター側は試合の開催をアナウンスした。

　リング誌などによると、ベンは8月にVADA（ボランティアアンチドーピング機構）が実施した検査で微量の違反薬物が検出されたものの、Bサンプルはまだ検査されておらず、ルール違反は確定していない。さらにベンはその後、BBBofCが実施したUKADA（英国アンチドーピング機構）の検査には合格している。こうした事情から、プロモーターのマッチルームボクシングとワッサーマンボクシングは今回の件が医学的、法的に問題ないことに自信を示し、「試合を開催する」と宣言した。

　2人の父クリス・ユーバンクとナイジェル・ベンは1990年11月、WBOミドル級王座を争って対戦。ユーバンクが9回TKO勝ちで王座を奪取した。その後、WBC･S･ミドル級王座に就いたベンとWBO同級王者に就いたユーバンクが93年10月リマッチを行いドローに終わった。

　こうした歴史があり、息子同士の対戦はイギリスで大きな注目を集めている。試合のチケットは早々にソールドアウト。仮に中止という事態に追い込まれたら大きな影響がありそうだ。