「井上尚弥のスピードに驚いた」予想以上の健闘を見せたタパレス
2023年12月26日 22時41分
2023年12月26日 21時10分
S・バンタム級4団体統一戦が26日、東京・有明アリーナで行われ、、WBC&WBO王者の井上尚弥(大橋)がWBAスーパー&IBF王者マーロン・タパレス(比)に10回1分2秒KO勝ち。バンタム級に続きS・バンタム級でも4団体統一を成し遂げた。
絶対有利が伝えられる井上とアップセットを狙うタパレスの対戦。1、2回は井上が戦前に話していた通りピリピリとした緊張感のある内容。互いにリードを差し合って駆け引きし、井上は右ボディアッパーを何発か使った。
3回、井上が攻勢を強めるが、タパレスはこれをガードして防ぐ。井上はガードを下げたり、右手を上げたりしてタパレスを誘い込もうとする。
4回、今度はタパレスが仕掛けた。距離を詰めてボディから上へ。井上も頭をつけてボディ打ちで対抗。井上は左フックを決めるとここから畳みかけ、左フック、右、左フックでタパレスがダウン。立ち上がると会場から大きな歓声が沸いた。タパレスはゴングに救われた。
井上は5回、仕留めにいくが、タパレスがタフなところを見せ、逆に打ち返してこのラウンドをしのいだ。6回からはタパレスは曲者ぶりを発揮、井上は一気に勝負を決めることができなかった。タパレスはショルダーブロック、上体の柔らかい動きで井上のミスブローを誘い、単発ながらジャブを時々決めた。7回はアクションの少ない展開ながら。ジャッジ2人がジャブを決めたタパレスのラウンドとした。
タパレスの健闘が光りながらも、井上のパンチはコツコツとタパレスをとらえていた。井上は9回、ワンツー主体の攻め。10回、タパレスは再び前に出たが、井上がワンツー、ワンツーで攻めると最後の右がタパレスをガードの間から打ち抜く。ヒザから崩れ落ちたタパレスはダメージの蓄積もあり、立ち上がることができなかった。
井上は26勝23KO。WBCとWBO王座は初防衛に成功した。これまでWBA・L・フライ級、WBO・S・フライ級、バンタム級4団体、S・バンタム級2団体で王者になっており、今回の勝利で獲得した世界ベルトは計10本となった。
リング上で涙したタパレスは4月、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)から奪った王座の初防衛に失敗した。37勝19KO4敗。
井上の勝利者インタビュー「まず対戦を受けてくれたマーロン・タパレス選手に感謝したいと思います。1年ぶりに階級は違いますが、一つ上げて4本のベルトを集めることができたのもみなさんのおかげです。
4つのベルトを集めましたが、いまの適正階級はこの階級だと思っている、来年、再来年はこの階級でもっと強い姿を見せようと思っています。
タパレス選手はタフで気持ちの強い選手でした、。戦前予想していた通りの選手だった。10回KO勝ちできて自分のやってきたことを証明できてホッとしています。
ポイントでリードしていたのは感覚でつかんでいたけど、ポーカーフェイスで効いている様子はなかった。10ラウンド崩れ落ちたときはビックリした。ただ、自分のパンチも当たっていたので相当ダメージはあったと思う。戦っていて一発もありましたし、陣営もそうですし、自分もピリピリしながら試合を進めることができた。
来年、5月にウワサされている試合が実現するか分からないですけど、ファンが見たいという試合を実現していきたいので、どんどん声を上げていただけたらと思います」
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