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S・フェザー級世界ランカー対決はダウン応酬の熱戦

尾川堅一ピンチ乗り越え勝利 西谷和宏は無念 
S・フェザー級世界ランカー対決はダウン応酬の熱戦

2020年10月2日 21時56分

 IBF・S・フェザー級3位の尾川堅一(帝拳)とIBF同級7位の西谷和宏(VADY)が2日、後楽園ホール「第594回ダイナミックグローブ」のメインイベント、S・フェザー級10回戦で激突。キャリアに勝る尾川が3-0判定で注目の日本人世界ランカー対決を制した。スコアは97-91×3。

尾川は3回にダウンを喫してから立て直した

 左を差し合いながら尾川は右、西谷は左フックを狙う緊張感あふれる立ち上がり。動きにキレのある尾川は2、3回と徐々にピッチを上げ、プレスを強めたが、その矢先に落とし穴が待っていた。スイッチした西谷が距離を詰めて左を打ち込むと、尾川がストンとダウンしたのだ。

 立ち上がった尾川はダメージが深い。畳みかけようとする西谷にしがみつき、フットワークを駆使してなんとかこのラウンドをしのいだ。4回は尾川が反撃だ。左ボディ、左フックで西谷を攻める。西谷も左フックで対抗するが、ラウンド終盤、尾川の右が決まって今度は西谷が片ヒザを突くダウンを喫した。

 尾川は5、6回、しっかり足を動かして前に出ようとする西谷に対応し、うまく右をかぶせてコントロールした。しかし7回は西谷が右を何度か決めて気の抜けない展開が続く。

尾川は3回にダウン。西谷はチャンスだったが…

 8回は尾川がネジを締め直して右で優勢。西谷は尾川の打ち終わりに左フックをリターンするが、尾川のハンドスピードが速くて捉えきれない。9回は尾川が打っては離れのボクシングで優位に立ちながら、ラウンド終盤に西谷の左フック、右ストレートが決まって尾川はヒヤリ。最終回は両者が力を振り絞り、互いに譲らず終了のゴングとなった。

 IBF以外にWBA8位、WBO9位にランクされる尾川は25勝18KO1敗1分1無効試合。リングから降りるときに大きな拍手を受けた西谷は21勝12KO5敗1分。

尾川の話「西谷選手のすごい気迫というか、執念が伝わって、でも僕も負けられないので最後は押し切れたことが良かったと思う。(ダウンは)耳の後ろというか後頭部にもらって、気がついたら手を突いていましたね。よく練習でもああいうのはあったので、冷静にやれたのは良かったです。

左を磨いてきた? ジャブで止めたりはできたんですけど、つなぎの部分がうまくいかなかったので、もう少し改善の余地があったと思う。ここでつなげればと思うんですけど単発になってしまった。

世界に向けて前進できた? 半歩くらいは進めたと思いますけど、アピールにはなってないと思うので、もっと怒られて成長したいですね。もっと厳しい試合も乗り越えて勝負していくしかないので。どんな国でもどこでもいくので。勝負していく気持ちですね」

梶は2度ダウンを奪って判定勝ち

◇S・フライ級8回戦
梶颯(帝拳)[3-0(78-70×2、79-69)]矢島大樹(松田)
 日本S・フライ級2位の梶が初回、クリンチ際で右を打ち込むと矢島がダウン。これはダメージが少なかったようで、上背で勝る矢島は2回からワンツー主体のボクシングで立て直した。スピードのある梶はジャブ、懐に入ってボディ打ちなどで試合を優位に進めながら、中盤はなかなか矢島を引き離せなかった。

7回、梶は前に出てきた矢島に右カウンターを決めてキャンバス送り。しかし矢島は右ストレートで反撃し、梶も無理にKOは狙わず判定決着となった。矢島は7、8回にホールディングで減点1。日本タイトル挑戦を目指す梶は15勝9KO。矢島は9勝4KO9敗3分。

波田(奥)は竹嶋とのホープ対決に勝利

◇S・フェザー級8回戦
波田大和(帝拳)[3-0(78-73×3)]竹嶋宏心(松田)
 日本S・フェザー級12位で日本同級ユース王者の波田と、拓大出身のOPBFフェザー級8位の竹嶋のマッチアップ。1、2回は互いにジャブを突きながらのペース争い。体格で勝るサウスポーの波田は3回から徐々に手数を増やし、4回に左ストレートをヒットした。

 波田は5回、左ストレートを決めて竹嶋を下がらせ、右フックをカウンターで決めると竹嶋が尻からダウン。竹嶋は6回に巻き返しを図って右を打ち込んでいくも、波田の左を浴びて右目上部をカットした。波田は8回に右アッパー、左ボディで竹嶋にダメージを与えた。波田は11勝10KO1敗。竹嶋は4勝3KO1敗1分。

岩田(右)はデビューから4連勝をマークした

◇L・フライ級8回戦
岩田翔吉(帝拳)[TKO7回38秒]成塚亮(ワタナベ)
 早稲田大出身でデビューから4連勝(3KO)、日本L・フライ級13位の岩田がプロ20戦目の成塚を迎えた。初回、リーチのある成塚の右を決めて前に出たところで、岩田が右フックを決めて成塚がゴロリ。立ち上がった成塚が応戦して忙しい立ち上がりとなった。

 岩田は2回以降、いきなりの右を何度か決めながら、中盤は手数が多く変則的な成塚に手を焼いた印象。それでも岩田は7回、右アッパーを決めてラッシュし、ストップ勝ちを呼び込んだ。元2階級制覇王者、粟生隆寛さんのトレーナー・デビュー戦で勝利をプレゼントした岩田は5勝4KO。成塚は9勝10敗1分。

思い切りが良く、気持ちも強かった津川(右)

◇フェザー級6回戦
津川龍也(ミツキ)[TKO6回2分9秒]峯田光(帝拳)
 2019年全日本S・バンタム級新人王の津川と強打の峯田が激突。序盤は互いに相手の強打を警戒しながら右を狙う構図で、津川は右ストレートをボディに打ち込むものの、峯田のジャブがやや上回ってポイントを取っている印象だ。

 試合が動いたのは4回だった。峯田が前に出る津川をジャブでコントロールし始めたかに見えたが、強気の津川が右を決めて峯田を下がらせる。峯田は左目上部をパンチでカットし、ロープを背負いながら、ここで右フックを決めて津川を倒した。5回は峯田が再び右を決めるが、津川が臆することなく右をたたき込んでいく。6回に峯田の傷が広がり、TKOとなった。20歳の津川は8勝4KO1分。峯田は8勝5KO2敗。

◇S・バンタム級6回戦
鈴木敬祥(帝拳)[3-0(58-56×3)]干場悟(蟹江)

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