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2021年2月2日 火曜日

伝説王者は1ヶ月で5度防衛戦 ボクシングの試合間隔とは

 1月27日の「DANGAN」興行で勝利を飾った4回戦の藤田圭(DANGAN AOKI)は大みそかにリングに上がっており、試合間隔はわずか27日だった。試合1週間前にオファーを受けて仕上げたというからたいしたものだが、最近ではこれだけ試合間隔の短いケースは珍しい。そこで試合間隔について調べてみると―。

 昔はバンバン試合をするのが当たり前の時代があり、あの袴田事件で無罪を訴え続ける袴田巌さんは1年間で19試合という年間最多試合をマークしている。19試合した1960年を見てみると、試合間隔が10日とか1週間とか中には5日というのもあった。

ヘンリー・アームストロング

 世界に目を向けると、伝説の3階級制覇王者、ヘンリー・アームストロングが1ヶ月で世界ウェルター級王座の防衛戦を5試合して全勝という恐るべき記録を残している。最も短い試合間隔は4日。もっともこれは1939年の話だから、今の感覚では信じられないと言うしかない。

 ここまで試合間隔が極端に短いケースは“大昔”によく見られるのだが、最近でも試合間隔の短い例はある。期待の若手選手が経験を積むためキャリア初期に連続して試合を重ねるパターンだ。特に海外では珍しくない。

 たとえば今をときめくサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)の戦績を見ると、キャリア初期には2週間から1ヶ月程度の試合間隔がいくつも見られ、地域王座のNABFを獲得してからも1ヶ月程度の間隔で10回戦を戦っている。あのマイク・タイソン(米)もデビューした1985年は10ヶ月で15試合もしている。

 そうした選手もチャンピオンになれば話は別で、3、4ヶ月、短くでも2ヶ月は試合間隔をあけるのが普通だ。スーパー・スターになったカネロも近年は年2試合ペース。準備の仕方が昔とは違うし、タイトルマッチであればプロモーションの期間も重要になる。健康管理の観点からもあまり連続した試合は推奨されていない。

99年2月、大東(左)は金山を退け10度目の防衛に成功

 日本のチャンピオンで目を引くのは日本J・ミドル級の大東旭だ。時代は遡って1997年、大東はこの年に28日、27日という試合間隔で2度防衛戦を行っている。当時にしてもチャンピオンがこれだけ短い間隔で防衛戦をこなすのは珍しく、同王座を10度防衛した大東はかなりタフなチャンピオンだったと言えるだろう。

 一方で、試合間隔があきすぎているチャンピオンもいる。WBAヘビー級王者のマヌエル・チャー(ドイツ=シリア)は3年2ヶ月も試合をしていない。なぜ王者に認定されているのか不思議だが、WBAはようやく先日、チャーを休養王者に認定した(はく奪ではない)。WBAクルーザー級王者のベイブド・シュメノフ(カザフスタン)は2年半も試合をしないで、ついに王座をはく奪された。

 試合をしない理由はそれぞれだろうが、現在はコロナ禍で試合をしたくてもできない選手が世界にたくさんいる。たとえ試合間隔が短く、急なオファーだったとしても「できるときにやっておこう」という選手が増えていくかもしれない。

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