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日本王座獲得3度の37歳 中川健太 あすひと回り下の古谷昭男とWBOアジア戦

2023年2月13日 20時02分

 あす14日、後楽園ホールで開催される「ダイヤモンドグローブ」の前日計量が行われ、メインのWBOアジアパシフィックS・フライ級王座決定戦12回戦に出場する同級1位の中川健太(三迫)がリミットの52.1㎏、同級12位の古谷昭男(六島)が200gアンダーの51.9㎏でクリアした。

中川(左)と古谷 ベテランと新鋭の対決だ

 セミで予定されていた日本S・フライ級王座決定戦、同級1位の川浦龍生(三迫)-同3位の橋詰将義(角海老宝石)は既報のとおり、橋詰のケガで中止に。また、レパード玉熊ジムの“現役親子ボクサー”共演は、息子の福田遼太郎が負傷により直前で無念の出場断念。父親の福田哲史は無事に計量に合格し、65.0㎏契約4回戦に臨む。

「あすは“過去最強の中川健太”を見せられると思う。自分が自分に期待している」。3度目の日本タイトルを返上し、上へのステップアップを期す中川(22勝12KO4敗1分)の第一声は力強かった。椎野大輝トレーナーのフィジカルトレーニングに本格的に取り組んでから1年が過ぎ、実戦の中で効果を実感しているという。

 昨年12月のロサンゼルス合宿で、WBA・S・フライ級2位のジョン・ラミレス(米)、WBAフライ級4位のアンソニー・オラスクアガ(米)と手合わせし、「通用する」と感じたというスパーリングを含め、「今まででいちばんスパーリングの内容がよかった」ことが37歳のベテランサウスポーの自信になっている。

 昨年8月の日本タイトル初防衛戦で、指名挑戦者の梶颯(帝拳)を大差の判定で退けた「前回以上に厄介な相手」と古谷を評した。「前回以上にタフな試合になると思う。そういう試合を今まで自分は落としているので、そうなったとしても必ず抜け出して、自分が最後に手を上げる」と覚悟を示す一方、2019年5月以来の「KO勝ちを自分も見たい」とも。

「前回よりも1つ2つ実力が上がった実感がある」という自分を出せれば、自ずと内容の伴った結果が出るというのが中川の胸中だろう。「自分に期待している」と繰り返した。

 昨年2月、場所も同じ後楽園ホールで東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王座の2冠がかかった王座決定戦で橋詰に敗れて以来、1年ぶり2度目のタイトルマッチに臨む25歳の古谷(10勝3KO5敗)。

「2年連続で正月を返上して練習してきた」からには、絶対にベルトを獲るという気持ちは強いだろう。今回も武市晃輔トレーナーとの「鬼の練習」を乗り越えてきたことで「12ラウンド以上、戦える」とスタミナには絶対の自信を持つ。

 動画で試合を見て、思ったより巧いと感じた中川に対し、古谷がポイントに挙げたのがディフェンス。中川がKO勝ちから遠ざかっているとはいえ、「絶対にパンチがあると思うので、もらわないように」。その上で「前半からポイントを取りに行く」ことが1年前の反省を踏まえた古谷のテーマだ。こちらも「最後は気持ちの勝負」とタフな試合展開をイメージするが、「途中でタイミングがあれば、もちろん(KOを狙う)」と力を込めた。

中川のインタビュー記事↓
https://note.com/dangan_box/n/n23615546c9b2

古谷のインタビュー記事↓
https://note.com/dangan_box/n/n3c906d08c514

渡来美響

 セミに昇格したS・ライト級8回戦では、昨年2月のB級プロデビューから2連勝(1KO)の渡来美響(三迫)がA級昇格初戦を迎える。ジュニア時代から名を馳せ、武相高校、東洋大学にかけてアマチュアで通算77勝(19KO・RSC)15敗の戦歴を積んだ24歳のホープは「スーパーライトの迫力、テクニックでメインを食っちゃうくらい勢いのある試合を見せたい」と意気込む。

 大学リーグ戦で馴染みの後楽園ホールは今月4日の興行からマスク着用での声出し応援が解禁された。「声出しなしの試合は、選手としては盛り上がりにかけるところがあったので楽しみ」と渡来。「僕はディフェンスがいちばんの特長の選手。ディフェンス技術を生かしながら、カウンターを入れて、攻防一体のボクシングを見せたい」。持ち前のテクニックで会場を沸かせるつもりだ。

 対戦相手のキム・ムーヒュン(韓国、9勝5KO4敗)は1回目の計量で400gオーバーとヒヤリとさせたが、再々計量でクリア。事なきを得た。

「あすは親子パワーで勝ちたい」と4戦目での初勝利を目指す36歳の福田父。3戦目までとは「気持ちが違ったし、2人で試合に向けて一緒に練習してきたことは大きかった」と試合までの日々を振り返った。しばらくは落ち込んでいたという遼太郎も応援に懸けつける。今春、北海道の大学に進学する息子の前で「2人の勝利」を見せる。

 なお、あすの興行の中でコロナ下で長らく見送られてきた月間賞の表彰式が再開。昨年12月、今年1月の月間賞受賞選手がリング上で表彰される。

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